RADWIMPS『天気の子』、セールス好調続く 野田洋次郎は“マルチな音楽家”に

 なお今週、もうひとつ注目すべきは、5位に初登場した(G)I-DLE『LATATA』です。K-POPの6人組グループで、“(ヨジャ)アイドゥル”と読みますが、実際に口にする場合はカッコ内をミュート、“アイドゥル”と言うのが正解。ただし日本でいうアイドルのイメージはまったく当てはまりません。ヒップホップ/トラップ/EDMをベースにした低音重視のサウンドと、カワイイよりもカッコいい女性像を押し出した歌詞世界。存在としてはBLACKPINKに近いので、すぐさま世界のマーケットで爆発しそうな勢いを感じます。

 興味深いのは(G)I-DLEのメンバーは6人中3人が外国人であること。この場合は韓国人ではない、という意味ですが、台湾人、中国人、タイ人がそれぞれひとりずつ在籍するこのグループは、韓国代表というより、アジアのクールビューティー代表、国籍や言語の違いを超えて繋がれるネクストジェネレーション代表として台頭していきそうです。もちろん中国と台湾、日本と韓国、それぞれに政治的問題は山積していますけど、音楽やカルチャーは決してそれと一緒にされてはならない一一。そんな意思を感じてしまうのは、昨今のニュースと決して無関係ではないのです。

■石井恵梨子
1977年石川県生まれ。投稿をきっかけに、97年より音楽雑誌に執筆活動を開始。パンク/ラウドロックを好む傍ら、ヒットチャート観察も趣味。現在「音楽と人」「SPA!」などに寄稿。

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