ジャニー喜多川の“Show must go on”の精神 『音楽の日』滝沢秀明×ジャニーズJr.企画への期待

 そんなジャニーズファミリーの父が旅立ったのは、あまりにも寂しい。だが、今こそジャニーズタレントにとって「Show must go on」を実行するときなのだろう。7月13日に音楽特番『音楽の日2019』(TBS系)が放送される。大きな見どころになっているのは、ジャニー喜多川さんの想いを受け継ぐべく昨年プロデューサーへと転身した滝沢秀明による、ジャニーズJr.たちの「汗」をテーマにした企画だ。

 いまやジャニーズ舞台に欠かすことのできないSnow ManやHiHi Jetsらが、ローラースケートで赤坂を滑走しながら、歴代ジャニーズの名曲を歌う。さらに長年、滝沢が主演を務めていた『滝沢歌舞伎』の名物“腹筋太鼓“も披露されるという。吹き出る汗、浮き出る筋肉、やり遂げるという強い意志を持った眼差し……多数のジャニーズJr.たちが、円形に並んで寝そべり、腹筋で上半身を起き上がらせながら太鼓を打つ姿は圧巻だ。

 さらに、滝沢が座長として舞台に出演していたときには、滝沢自らその輪の中心に逆さまの状態で登場。その演出も、滝沢がジャニー喜多川さんと話す中で生まれたものだと明かされている。今回は、3人乗りで高速回転しながら太鼓を打ち鳴らす、“メカ太鼓“という特製装置も登場するという。進化したショー演出を、新時代を担うJr.たちの晴れ舞台を、ジャニー喜多川さんもきっと楽しみにしていたはずだ。

 「子供は大人になれるけど、大人は決して子供に帰れない。だからこの想いを、時計を止めて……」とは、今春公開されたジャニーズ舞台の集大成とも言える『映画 少年たち』でスクリーンに映し出されたジャニー喜多川さんの言葉だ。きっともっと多くの少年たちの成長を見届けたかったに違いない。〈さよならとお別れのあいさつを言うかわり/君にこの歌を僕はおくりたい〉と歌う劇中歌「君にこの歌を」のフレーズを思い出し、また胸がいっぱいになる。

 きっと、これからもジャニーズタレントたちは、ジャニー喜多川さんの教え「Show must go on」を胸に私たちを魅了し続けてくれることだろう。偉大な父を見送った悲しみを胸に秘めステージに立つ、ジャニーズイズムの継承者たち。今はただ、その勇姿をしっかり見届け、応援することでジャニー喜多川さんへの感謝を伝えたい。

(文=佐藤結衣)

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