クイーン・ナイジャ、キアナ・レデ……2019年上半期新世代R&Bアーティスト作品を振り返る

 「Boo’d Up」のヒットで2018年R&Bの顔とも言われたエラ・メイや、『第61回グラミー賞』にノミネートされたH.E.R.を筆頭に、ラップシーンにも負けず劣らず盛り上がりを見せている昨今のR&Bシーン。数多くの新人アーティストがひしめき合う中で、今回は2019年上半期にリリースのあった注目のアーティストを4組選出してクローズアップします。

元夫の浮気について歌った「Medicine」で一躍ヒット:クイーン・ナイジャ

クイーン・ナイジャ「Away From You」

 まずは、アフリカンアメリカ、アラブ、イタリアの血を引く1995年生まれの23歳、クイーン・ナイジャ。“クイーン”の名は祖母から引き継いだ本名だという。10代のときに『アメリカン・アイドル』に挑戦し、そこでは惜しくも脱落してしまった彼女だが、当時の夫でありラッパーのクリストファー・セイルスとの生活をドキュメントし、いわゆるYouTubeブロガーとして人気者に。同チャンネル内でも歌声は披露していたが、音楽キャリアが本格化したのは夫クリスと離婚後の2018年頃だ。別れの発端と言われている相手の浮気について歌った「Medicine」がファンベースの域を超えてヒットし、『The Billboard Hot 100』で最高45位をマーク。現在MVは1.2億回以上の再生回数を記録している。2018年7月に配信されたEP『Queen Naija』では洗練されたソングライティングのセンスをみせ、年末の『Soul Train Awards 2018』内ではエリカ・バドゥがキュレーションを務める名物企画「Soul Cypher」にも大抜擢されるなど、R&Bコミュニティの注目度も急上昇中のクイーン。新しいパートナーであるクラレンスとの間に子を授かり、公私ともに好調な彼女の最新曲「Away From You」は、夏にピッタリのアップテンポチューンで、フルアルバムにさらなる期待がかかるところだ。

MEDICINE – QUEEN NAIJA (OFFICIAL VIDEO)
Queen Naija – Away From You (Audio)

ケラーニとも通じるユニークなスタイル:キアナ・レデ

 続いては、エキゾチックな容姿にも思わず目を奪われるキアナ・レデ。元々はキッズ歌手としてオーディションを勝ち抜き<RCA>とも契約を結んでいたが、ポップスターのレッテルを貼られることを嫌がりレーベルから離脱。現在のリパブリックレコードに移籍してから大人の女性としての才能が開花した。2018年のEP『Selfless』に収録された「EX」は〈別れた後も“元カノ”になんてなりたくない。友だちでいたいの〉という印象的なリリックで話題を呼び、リル・ベイビーを迎えたバージョンに加え、フレンチ・モンタナと共に90’s R&Bクラシックであるトータルの「Can’t You See」へのオマージュとなるリミックスを展開するなど、ロングヒットをみせている。勢いに乗るキアナは2019年6月、最新EP『Myself』を発表。オフセットのラップも光る「Bouncin’ feat.Offset」では思い切りポップに弾け、「Heavy feat. Jenifer Lewis」では精神面における葛藤を赤裸々に歌いあげるなど(同曲にはタイラー・ペリー関連の映画でもおなじみの女優ジェニファー・ルイスが参加)、その表現力の幅もさらに磨きあげられている。2018年に初来日を果たしたケラーニなどに通じるユニークなキアナのスタイルは、日本でも人気が出てしかるべき存在だろう。

Kiana Ledé – EX
Kiana Ledé – Bouncin ft. Offset

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