THE FOREVER YOUNGが語る、新体制後の変化「どこかに嘘があったら絶対に人に伝わらない」

THE FOREVER YOUNG、新体制後の変化

泣いたことのある男の方が優しいと思う(クニタケヒロキ)

――そして2曲目「泣けよ男だろ」は、タイトルのインパクトが強くて。普通なら「泣くな男だろ」になるだろうけど、泣くことを許してくれるのがTHE FOREVER YOUNGという。

クニタケ:これ、最初は地元の友達のために書いた曲なんです。そいつがいろいろあって泣きそうな顔をしている時に、「泣けばいいのにな、俺は友達なのにな」って思って。そこから、こいつ(友達)を絶対に泣かす曲を作ろうって決めたんです。

――この曲が、泣けない人間のスイッチになればいいなと?

クニタケ:そうですね。泣いたことのある男の方が優しいと思うんです。くよくよしたり、女々しくても、痛みがきちんとわかる人だと思う。僕もいっぱい泣きますし。だからこそ、誰かの話を聞けるようになるし、誰かを包む空気を出せるようになると思うので。「泣けよ男だろ」では、「我慢すんのはかっこよくねえぞ」って言いたかったんです。

――曲調からは昭和な男くささを感じるんですけど、男でも泣いていいっていう考え方は、すごく今っぽいですよね。

クニタケ:そうかもしれません。この曲は最初に会場限定CDで出して、そのリリースツアーを回ったんですけど、そこで初めて聴いて泣いてる奴もいて。ああ、よかったなって。友達のために書いたけど、目の前の人の曲にもなったなって、各会場で思えたんです。

――ライブにきている人たちを見て、みんな泣くことを我慢したり、感情をため込んでるなって思いますか?

クニタケ:思いますね。沸々と感情を溜めているように見える奴が、僕たちのライブがはじまると、すぐに(目の前に)来るんですよ。

――タカノさんもかつて、普段は我慢していても、THE FOREVER YOUNGのライブなら泣ける、みたいな感覚があったんですかね。

タカノ:はい、ありましたね。

――オガワさんも、このバンドだからリミッターを振り切ったパフォーマンスができるところがあるわけですもんね。

オガワ:そうですね。昔はそうじゃなかったんですけどね。

――だんだん、お客さんが泣けたり、自分たちを解放できる居場所を作れるようになってきたっていう。

クニタケ:まず自分たちを解放しないと、お客さんを解放させられないですもんね。自分たちが泣かないと、お客さんを泣かせることはできないし。だから、他のバンドがお涙頂戴みたいなことをやっていると、「テメー自身が自分の曲で一回でも泣いたことはあるのかよ?」って思うんです。僕は、自分の曲をレコーディング終わりの車の中や、電車でイヤフォンしながら聴いていて泣いちゃうので。嘘のないことを歌いたいんですよね。どこかに嘘があったら、絶対に人に伝わらない……そこですかね、この4年の中で一番変わったところは。

――だからこそ、バンドとお客さんの温度が同じになったんでしょうね。「ひとつになろうぜ!」って呼び掛けるより、自分たちも泣いて、笑って、さらけ出したほうが、本当にひとつになれるということですよね。

クニタケ:それが成功のカギかどうかはわからないんですけど、ウソじゃないってわかってもらえれば、(観ている)一人ひとりの熱量は上げられると思うんですよね。それを体現していきたいです。

――ライブも大合唱が起こるんじゃないんですか?

クニタケ:そうですね。でも、さっき話した友達もライブに来てくれたんですけど、全然泣いていなかったんですよ(笑)。「これ、お前の曲やけん」って言ったんですけど、「泣くわけねーし」って(笑)。

――わかんないですよ、家でこっそり聴いて泣いているかも(笑)。

クニタケ:そうだったら嬉しいですけどね(笑)。

――そして3曲目「現実逃避行」。これはクニタケさんの弾き語りで、バンドとはまた違った魅力が表現されていますね。

クニタケ:僕が弾き語りをはじめてから、カッチリ曲を録ったのは初めてなんですよ。僕は人生の中で恋愛が主だと思っているので、そういう曲を弾き語りができるようになった今こそ作りたいなって。弾き語りは個人のことを歌った方がいいと思っています。

――レコーディングすると、自分のスタイルや技術に向き合わざるを得ないと思うんですけど、ご自身の感触はいかがでしたか?

クニタケ:いやあ、めっちゃ下手だなって。弾き語りのライブは、べろべろに酔っぱらって演奏しているんですけど、それとレコーディングは真逆(のシチュエーション)なんで。もっと練習しようと思ったし、もっといい曲を作れるなって思いました。

――ぐちゃぐちゃになるライブと、しみじみ歌う弾き語りは、真逆にも思えますけど、どちらもも大事ですか?

クニタケ:そうですね。最初に一人で弾き語りで演奏した時に、めっちゃ緊張して。バンドのライブの時と違って、弾き語りは僕が何もしないと無音だし「怖っ!」ってなってしまって。あと僕、それまでベースしか弾いたことなかったので、弾き語りをすることになってギターも練習したんです。だから恥ずかしさもありました。そしたらライブを観に来たサンに「べろべろでやったらいいんじゃないすか?」って言われて。地元の久留米で飲食店を貸し切って弾き語りワンマンをした時は、記憶がなくなるまで酒を飲んでみたんです。そうしたら、サンが「めっちゃよかったです」って言ってくれて。

オガワ:ギターは、あってないようなものというか。ほとんど(クニタケの)声なんですけど、いつものライブの感じが出ていて、良くなったなと思いました。

クニタケ:それから弾き語りは、飲みながらやっています(笑)。酒がどうというわけではないんですけど、いつもの自分のままでいいんだなって、オガワが気付かせてくれたっていうか。

――そして、今作にはライブDVDもパッケージされています。まだライブを観たことがない人にとっては嬉しいですね。

クニタケ:僕たちのライブを観たことがある人も、またライブに来てくれる、これを観て明日への活力にしてほしいです。

――冒頭の話のように、今の時代はライブも動画で観れますけど、DVDなどにパッケージするというのは、今の自分たちに自信がないとできないですよね。いいタイミングだったんじゃないんですか?

クニタケ:そうですね。昔は下手すぎて、「DVDとかまじ無理ぞ!」って言われていたんです(笑)。でも、今の自分たちには自信がありますね。

(取材・文=高橋美穂/写真=千葉高広)

■リリース情報
3rdシングル&DVD作品『ミッドナイトライナー』
発売:6月19日(水)
価格:¥1,800(税抜)
<CD 収録内容>
1.ミッドナイトライナー
2.泣けよ男だろ
3.現実逃避行
<DVD 収録内容>
2018年12月25日(火)@下北沢SHELTER
『FOREVER YOUTH SPECIAL~Xmas青春地獄~』のダイジェストを収録
『2018年12月25日』
1.さくらの時  2.YOUTH 3.君にしか 4.WORLD END
5.素晴らしき世界 6.GO STRAIGHT 7.HELLO GOODBYE

■ライブ情報
『ミッドナイトライナー発売記念ライブ』
6月29日(土)久留米ウエポン
“ミッドナイトライナー久留米行き”
w/ クニタケヒロキ

7月4日(木)渋谷SHIBUYA O-WEST
“ミッドナイトライナー東京行き”
w/ locofrank / OVER ARM THROW

THE FOREVER YOUNG オフィシャルサイト

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