平野綾、スフィア、μ’s、Aqours……数々のブームを巻き起こしたランティスの歴史
『ラブライブ!』を生んだテン年代
社会現象と言えば、来年1月にさいたまスーパーアリーナで『ラブライブ!フェス』を開催する『ラブライブ!』シリーズは、ランティスにとっての大看板だ。2013年にアニメ放送がスタートすると、劇中のアイドルグループのμ’sがアニメの枠を越えて社会現象に。
『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)への出場を果たし、その年明けには東京ドームでライブを開催した。その盛り上がりを引き継いだのがAqoursで、東京ドームとメットライフドームでライブを開催するほどの人気を獲得。さらに最新のグループである虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会も登場し、新たな『ラブライブ!』伝説の始まりを予感させる。
ランティスの歴史において、男性声優のシーンへのアプローチも欠かせないものだった。2009年には「Kiramune」という男性声優のレーベルを設立するなど、男性の声優人気の一翼を担った。毎年開催される『Kiramune Music Festival』は、今年はメットライフドームで開催されたほどの人気だ。今年の『ランティス祭り』には、小野賢章、小野大輔、寺島拓篤、森久保祥太郎、昨年ソロデビューした古川慎などの男性声優も出演する。アーティストとして、どんな表情を魅せてくれるのか楽しみになる。
ランティスは、「このアニメにはこのアーティスト!」と呼ばれるような鉄板の組み合わせと人気シリーズを数多く持っている。例えば『ガールズ&パンツァー』の主題歌と言えばChouChoと同作で「あんこう音頭」を歌った佐咲紗花が鉄板だ。主人公の西住みほを演じた渕上舞も、ランティスから昨年ソロデビューを果たしている。また『黒子のバスケ』では、全6曲の主題歌を手がけたGRANRODEOが鉄板だろう。近年は、『響け!ユーフォニアム』シリーズでTRUEが主題歌を手がける。
他にもnano.RIPE、fhána、ORESAMAなど、アーティスト志向の高いグループも人気のランティス。よりアニメとの親和性が高く、なおかつアーティストの楽曲単体としてのクオリティも保たれたアニソン/キャラソンを多く生み出してきた。数々のブームを巻き起こしながら積み上げてきた1曲1曲は、アニソン界における至宝になっている。それが一堂に会するランティス祭りは、同レーベルの20年が詰まったアニソンの歴史博覧会といえるだろう。
■榑林史章
「THE BEST☆HIT」の編集を経て音楽ライターに。オールジャンルに対応し、これまでにインタビューした本数は、延べ4,000本以上。日本工学院専門学校ミュージックカレッジで講師も務めている。