>  >  > Buffalo Daughter『25+1 Party』レポ

Buffalo Daughterはやはり唯一無二の存在だ 小山田圭吾、中村達也、菊地成孔ら迎えた記念ライブ

関連タグ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 Buffalo Daughter、結成25+1年(26年)を記念してのアニバーサリーライブ『25+1 Party』5月30日恵比寿LIQUIDROOMである。先ごろ『Pshychic』(2003年)『Euphorica』(2006年)という中期の2枚のアルバムが初めてバイナル盤リリースされたこともあり、その両アルバムの収録全曲を、多数のゲストと共に再現するというスペシャルなライブだ。メンバーはシュガー吉永(Gt/Vo)、大野由美子(Ba/Moog/Vo)、山本ムーグ(DJ/Vo)の3人に加え、サポートながらもはやバッファロー不動のメンバーと言っていい松下敦(Dr)、そして山本不在時からサポートを務めていた奥村建という5人。ライブエンジニアはもちろんzAkだ。これに曲ごとにゲストが加わる。会場は立錐の余地もない超満員。

Arrow
Arrow
ArrowArrow
Slider

 『Euphorica』収録の「Beautiful You」からスタート。続いて『Pshychic』の「S.O.I.D」、『Euphorica』の「Sometime Lover」「Peace」と続く。全曲再現といってもアルバムの曲順通りに演奏するわけではない。序盤はバッファローのサイケデリックだったりエレクトロニックだったりハウスだったりというよりは、ニューウェーブ/ポストパンクだったりクラウトロック的だったりする、輪郭にはっきりしたゴツゴツとした演奏が続く。カッティングエッジな、だがどこかゆるくてキッチュな感覚。ゴリゴリと尖った演奏と、ふんわりとしたキュートな大野/吉永のボーカルの対比が彼ららしい。「Peace」は山本ムーグが絶叫ボーカルを披露するヘヴィファンク。体調上の理由で長らくお休みしていた山本の健在ぶりを示すには十分だ。吉永得意のキレキレのファンクギターが炸裂する。素晴らしいのが松下のソリッドでタイトなドラミング。正確さとグルーヴを併せ持った的確なプレイは、バッファローの自在な音楽実験の土台を支える重要なピースだ。

AAAMYYY

 今年になって1stアルバム『BODY』をリリースしたばかりのトラックメイカー/シンガーソングライターのAAAMYYYがボーカルとシンセで加わり「Lost Guitar」「Bird Song」と披露。ドリーミーでアンビエントな広がりを持った楽曲が、彼女の参加でいっそう柔らかく彩られる。

SASUKE

 続いては話題のトラックメイカーSASUKEが参加しての「Elephante Marinos」。なんと弱冠16歳というから、バッファローのメンバーから見れば息子のような年齢だ。たまたま吉永がネットで発見したというが、SASUKEが担当した同曲のリミックスをさきごろ配信リリースするなど、メンバーの意気込みもハンパではない。バッファローのロックでファンクなリズムとは全く違うしなやかで弾力性に富んだ四つ打ちのダンスグルーヴと、軽やかで華やかなSASUKEのダンスが圧倒的な新世代感を醸しだす。

 だがこの日前半のハイライトはゲストがはけ、5人だけで演奏された、この日唯一の新曲「Don’t Punk Out」と、『Pshychic』収録の「Chihuahua Punk」のメドレーだった。ポリリズム気味に鳴らされる変拍子ファンク〜ポストパンクの刺激は強烈で、このバンドの根っからのねじ曲がったオルタナティブ体質が如実に表れていた。ここでも松下のドラムが冴えていて、大野の弾くミニムーグの重低音のアタックもえぐい。

 そして間髪を置かず『Pshychic』のオープニングナンバー「Cyclic」のオープニングが流れた瞬間、気持ちのいい解放感が会場を覆う。15分近くにもわたって繰り広げられた人力アシッドハウスミュージックの途方もない悦楽。この曲は私にとってバッファローの中でもフェイバリットナンバーのひとつだが、これほど相応しいタイミングと場所を得て鳴らされた例は滅多にないと思った。いつもよりもハードな演奏となっていたのは、今はそういう気分だったと言うことだろう。

      

「Buffalo Daughterはやはり唯一無二の存在だ 小山田圭吾、中村達也、菊地成孔ら迎えた記念ライブ」のページです。の最新ニュースで音楽シーンをもっと楽しく!「リアルサウンド」は、音楽とホンネで向き合う人たちのための、音楽・アーティスト情報、作品レビューの総合サイトです。

表示切替:スマートフォン版 | パソコン版