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YoshimiOという稀なる表現者ーーSAICOBAB演奏やトークショーで存在を紐解いた能楽堂イベント

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 都内の各所で内外の様々なアーティストを、さまざまなハコで、さまざまな形態で紹介していく都市型音楽フェス『Red Bull Music Festival Tokyo』が今年も開催されている。今回は去る4月11日に行われた、「A Conversation with YoshimiO + Performance by SAICOBAB」と題されたイベントを紹介する。

Keisuke Kato/Red Bull Content Pool

 Boredomsのドラマーとして知られるYoshimiOのリーダーバンド、SAICOBABのライブパフォーマンスと、トークショーを合体するという、あまり例を見ない催しで、場所は渋谷のセルリアンタワー東急ホテルの地下にある「セルリアンタワー能楽堂」である。日本の伝統文化を世界に発信する施設として2001年に設立されたというこのハコは、文字通り能や狂言を中心とした日本の伝統芸能の実演を、クラシックやバレエ、コンテンポラリーダンスなど共に定期的に紹介している。一般的なライブスペースとは内装、ステージの作り、客席、音響など何もかも違う。私は初めて訪れたが、たぶんポピュラー音楽、それも一般にはロックとカテゴライズされる音楽がここで鳴らされる機会はほとんどないはずだ。

Keisuke Kato/Red Bull Content Pool

 SAICOBABはYoshimiOを中心にヨシダダイキチ(エレクトリック・シタール)、秋田ゴールドマン(アップライト・ベース、SOIL & “PIMP” SESSIONS)、濱元智行(ガムラン&パーカッション、滞空時間)の4人編成。能楽堂の舞台は足袋着用が前提らしく、全員が白い足袋をはいている。腕利きの3人が奏でる無国籍民俗音楽ニューウェイブとも言うべきミニマルトライバルな演奏をバックに、YoshimiOの伸びやかで奔放なボーカルが自由な表情をつけていく。歌ではあるが、どこかの知らない国の言葉のようでもあり、明確な意味を持った歌詞ではない。SAICOBABの演奏は譜面に基づききっちり構成されたもののようだが、YoshimiOの歌は基本的に即興で、大空を自由に飛び回る鳥のように軽やかだ。SAICOBABの演奏は、おそらくこの会場では異例の、PAを通して流されていたが、響きの多い能楽堂の音響とのマッチングは抜群だった。これはPA担当エンジニア(佐竹泰明)の力もあるだろう。観客は普段通っているであろうライブ環境とは全く違う雰囲気に戸惑い気味ではあったが、音楽と、それを鳴らす場としてのハコの関係を考えるうえでも興味の尽きないライブだった。

Yasuharu Sasaki / Red Bull Content Pool

      

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