平井堅の“これから”がさらに楽しみに 亀田誠治、あいみょん登場『Ken’s Bar』20周年ファイナル

平井堅『Ken’s Bar』20周年最終公演レポ

 さらにパーカッションのLambsy、ベースの大神田智彦が加わり、新曲「いてもたっても」(映画『町田くんの世界』主題歌)を披露。「恋愛感情って何だろう? と改めて考えて。結局わからなかったんだけど、考えていることと行動が伴っていなかったり、コントロール不能な状態が恋の醍醐味なのかな、そんな瞬間を切り取れたらと思って書いた曲です」というこの曲は、平井堅の新たな代表曲として浸透しそうだ。その後は「告白」「KISS OF LIFE」とヒットチューンを連発、会場全体を華やかな高揚感で包み込む。平井がいったんステージから姿を消し、バンドメンバーのソロ演奏が繰り広げられる。再び登場した平井は、なんと白と紫のストライブによるピカピカの衣装(派手なラメが施された三角帽子も)。アライグマ、モグラの着ぐるみと一緒にパフォーマンスされた「POP STAR」は、平井のぶっ飛んだエンターテインメント性に直結していた。

 洗練されたチャコールグレーのスーツに着替えて登場したアンコールでは、まず「本当にありがとうございます。とっても楽しかったです」と感謝を告げる。さらに「これからもいい歌を歌える未来を作っていくためにも、新しい曲を最後に歌わせてください」「これからも自分を壊して、過去を見るのではなく、怖いけども、未来の扉を開いていきたいという気持ちを込めて、みなさんの胸に届くように歌いたいと思います」と新曲を披露。歌という表現に対する思い、そして、“あなたの寂しさ、哀しみのそばにいたい”という切実なメッセージが込められたこの曲は、すべての観客の心をしっかりと揺らしたはず。記念すべき『Ken’s Bar』20周年のファイナルを新曲で飾ったこと、そして、その曲が“これからの平井堅”を予見させる素晴らしい楽曲だったことが、この日のライブの収穫だったと断言したい。

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(写真=上飯坂一)

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

■セットリスト
『Ken’s Bar 20th Anniversary Special !! vol.4』
5月22日(水)日本武道館

<ACT 1>
1.half of me
2.魔法って言っていいかな?
3.affair
4.カムフラージュ(竹内まりや)
5.Love Is Blind(Janis Ian) with 亀田誠治
6.かわいいの妖怪 with 亀田誠治
7.瞳をとじて

<ACT 2>
8.哀歌(エレジー)
9.ガラスの十代(光GENJI)
10.リクエストコーナー(青空)
11.リクエストコーナー(PAUL)
12.鍵穴 with あいみょん
13.愛を伝えたいだとか(あいみょん) with あいみょん
14.いてもたっても
15.告白
16.KISS OF LIFE
17.POP STAR

<ENCORE>
18.未発表曲

平井堅 オフィシャルサイト

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