山田涼介はHey! Say! JUMPに恋し続けている 6年の時を経て今再びソロで歌う意義
カップリングで収録された「Moonlight」、KinKi Kidsのカバー曲「愛のかたまり」などアイドルのソロデビューにしては、驚くほど落ち着いた楽曲が多いのも、山田が背負うものの大きさ、そして彼自身のナイーブさを表していたように思う。メンバーといるときの笑顔は太陽のように明るいのに、ソロとして見せた覚悟は月光のようにクールだった。
Hey! Say! JUMPにとって、山田のソロは、ひとつの岐路となるタイミングを示しているのかもしれない。今、6年の時を経て再び山田がソロで歌う意味。それは、Hey! Say! JUMPがまた新たな段階へとステップアップする予兆に思えてならない。
6年前から現在まで、彼らはそれぞれの個性の活かし方を見つけてきた。知念侑李は「Lucky-Unlucky」が主題歌になっているドラマ『頭に来てもアホとは戦うな!』(日本テレビ系)で主役を演じ、有岡大貴と八乙女光は『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)に、高木雄也は『所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!』(テレビ東京系)に、それぞれ出演中だ。
伊野尾慧は『めざましテレビ』(フジテレビ系)、『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日系)、『メレンゲの気持ち』(日本テレビ系)、『u&i』(NHK Eテレ)と引っ張りだこ。そして山田涼介、知念侑李、八乙女光の『スクール革命!』(日本テレビ系)も、すっかり長寿番組となっている。
テレビのみならず中島裕翔が舞台『WILD』で主演を務めるなど、俳優としての活躍もめざましい。そして、現在アメリカン・アカデミー・オブ・ドラマティック・アーツ ニューヨーク校に留学中の岡本圭人もまた、新たな強みを手に入れようと奮闘している。
思い返してみれば、『リトルトーキョーライフ』(テレビ東京系)や、『いただきハイジャンプ』(フジテレビ系)と全員が出演するバラエティ番組があるのも、6年前から考えれば叶えたい夢のひとつだった。モヤモヤの6年前から、ワクワクが待つ現在へ。充実した日々の先に、さらなる飛躍が確信できる。だからこそ今回のソロ曲は、明るくポップなノリのいい楽曲になっているのではないか。
「Oh! my darling」は、恋する気持ちを歌う楽曲。MVで楽しそうに歌い、踊る姿を見ているうちに、山田自身がHey! Say! JUMPというグループに恋し続けているようにも見えてくる。グループを引っ張っていくソロではなく、メンバーと共に楽しんでいくソロへ。それほど、今のHey! Say! JUMPが強くなったのだ。
(文=佐藤結衣)
※高木雄也の「高」はハシゴダカが正式表記。