『小さな恋のうた』『さよならくちびる』劇中から2組がCDデビュー 音楽シーンで存在感示すか
スクリーンを飛び出しCDデビュー 2組の劇中バンド/ユニット
令和元年の音楽シーンも、時代を象徴するような名曲や新人アーティストが誕生し、様々なブームが巻き起こることだろう。それを起こすのは歌手やバンド、アイドルだけに限らない。声優やYouTuberといった本来は別ジャンルの表現者たちもチャートを賑わせている今、音楽シーンはますます多様なものとなってきた。そんな中、俳優による“劇中バンド”も盛り上がりの兆しを見せている。この記事では、5月22日にスクリーンを飛び出してCDデビューする2組の劇中バンド/ユニットを紹介していきたい。まず1組目は、今月の24日より公開される映画『小さな恋のうた』に登場する、小さな恋のうたバンドだ。
MONGOL800の名曲「小さな恋のうた」をモチーフに制作された同映画は、沖縄の小さな町を舞台に繰り広げられる、ある高校生バンドの青春物語。ボーカルダンスユニットM!LKでも活躍中の俳優・佐野勇斗を始め、森永悠希、山田杏奈、眞栄田郷敦、鈴木仁といったキャストが集結し、この5人からなる小さな恋のうたバンドのデビューシングルには、劇中でも披露されるMONGOL800のカバー4曲が収録。表題曲の「小さな恋のうた」は、原曲よりもややスローテンポで、歌詞の言葉ひとつひとつが耳に残るアレンジになっている。映画のストーリーと合わさることで、歌詞に宿るメッセージがまた新鮮な響きを持って聴く人の胸を打つ。そして、ボーカルを務める佐野勇斗の低く優しい歌声や、紅一点の山田杏奈による透き通るコーラスワークも原曲とは違った魅力があり、聴きごたえ抜群のカバー作品が完成した。原曲のリリースから約20年が経ってもこの曲の輝きは褪せることなく、新たな作品と共鳴しながら若者たちの青春のテーマソングとして、より広い年代の人々の心に響いていくのが嬉しくもある。
そして2組目、小松菜奈と門脇麦のダブル主演映画『さよならくちびる』から誕生したギターユニット・ハルレオも、今月31日の公開に先駆けてCDデビューが決定している。
この映画は、主演の2人がそれぞれ演じるレオとハルによる人気デュオ・ハルレオと、成田凌演じる付き人・シマの関係が描かれた青春音楽エンターテインメント。ハルレオが歌う主題歌「さよならくちびる」の作詞・作曲・プロデュースは秦 基博、挿入歌「誰にだって訳がある」、「たちまち嵐」の作詞・作曲はあいみょんが手がけていることもあり、映画公開前から双方のファンの間でも話題になっている。クールなのに心に染み入ってくる2人の歌声は相性抜群で、情景を鮮やかに浮かび上がらせる表現力が光っている。主題歌「さよならくちびる」は、揺らぐ心をそのまま音にしたようなセンチメンタルなメロディと、切なくも温かい愛が滲む歌詞、そしてアコースティックギターの美しい音色が心地よく、音楽好きのリスナーを掴む魅力が溢れ出ている楽曲だ。また、映像作家・山田智和が監督を務めたMVは、この3人ならではのどこか儚い世界観が切り取られた映像に仕上がっている。