日向坂46、初シングルが1位に返り咲き 「キュン」は“王道アイドル”の新モデルを生みだす楽曲に

 各盤種ごとの収録曲も聴いていきましょう。Type-Aの「耳に落ちる涙」では、ストリングスの音色が鳴り響きます。Type-Bの「Footsteps」はエレキギターとブラスセクションの音色が同居する前向きな曲調に、少しだけ哀愁も。Type-Cの「ときめき草」は、憂いの漂う楽曲です。通常盤の「沈黙が愛なら」は、サウンドにエレクトロニックなアプローチがあるかと思うと、ストリングスの音色も響く気品のあるサウンド。

 坂道シリーズの1枚目は、その後のグループのイメージを方向づける内容です。「キュン」とその収録曲群は、日向坂46というグループのイメージをかなり入念にチューニングしていることがわかります。それは凡百の自称“王道アイドル”には真似できないな、と思うほどなのです。

■宗像明将
1972年生まれ。「MUSIC MAGAZINE」「レコード・コレクターズ」などで、はっぴいえんど以降の日本のロックやポップス、ビーチ・ボーイズの流れをくむ欧米のロックやポップス、ワールドミュージックや民俗音楽について執筆する音楽評論家。近年は時流に押され、趣味の範囲にしておきたかったアイドルに関しての原稿執筆も多い。Twitter

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