雨のパレードは野心を燃やし続けて“真の第2章”へ進む 『Ahead Ahead』リリースパーティーレポ

雨のパレードは野心を燃やし続けて“真の第2章”へ進む 『Ahead Ahead』リリースパーティーレポ

 雨のパレードが、4月24日にLIQUIDROOMにて『ame_no_parade RELEASE PARTY “Ahead Ahead”』を開催した。

 雨のパレードは、今年1月に3人体制へ。今回のライブには、開催同日に発売されたシングル『Ahead Ahead』のリリースパーティー、そして3人体制初のワンマンライブでのパフォーマンスという意味合いも含まれている。フロアは関係者エリアも含めて、すし詰め状態。そんな期待に満ちた空気の中、雨のパレードの新章は幕を開けた。

 まず驚いたのが、ステージに置かれたおびただしい機材の量。『Ahead Ahead』リリースのタイミングのインタビューでフロントマンである福永浩平は、メンバーの脱退で今まではバンドでのセッションレコーディングができなくなってしまい、デスクトップ上で曲を作るようになったこと、“自分たちの手で鳴らせる楽器”という枠が外れたということを話し、より自由度の増した現在のサウンドプロダクションを示していた(雨のパレードが語る、“第二章の始まり” 「新しい刺激を貪欲に取り込んでいきたい」)。それは今回届けられた「Ahead Ahead」を一聴すれば分かることであるが、ライブにおいてはサポートを入れない状態で、同期を取り入れることでカバーしていくものだと、想定していた。

 いざ、蓋を開けてみれば、ベースのパートを山﨑康介が担当し、もともとのギター、シンセサイザー、さらにはPCをも操る、マルチプレイヤーっぷりを遺憾なく発揮していた。福永はボーカルのほかにもPCとシンセサイザー、大澤実音穂はドラムにMPCと従来通り、いや、同期を取り入れた分、今まで以上のサウンドと言ってもいい。バンドにとってメンバーの脱退が、「4ー1=3」という単純な引き算ではなく、結果的にその答えが「5」にも「6」にもなっていくのだということを感じさせた。

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福永浩平(Vo)
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 1時間半余りのリリースパーティーは、アンコールを含めて15曲という普段のワンマンライブ並みに楽曲が披露された。「Reason of Black Color」を皮切りに、「Tokyo」「You」と徐々にフロアの熱を上げていく。「この日のためにめちゃくちゃいろんな準備をしてきて、マジで寝れない日々を送ってここまでやっと辿り着きました」という福永のMCの後には、「free」にて山﨑がベースをプレイ。福永が「上手いっすね」と笑みを浮かべる。「Hwyl」「/eɔː/」と3人は、ポップに、ドープに福永の提唱する「言葉にできない感覚」をサウンドに表現していく。

 福永はライブ序盤で「久々の曲もやるかもよ」と宣言していたが、その1曲がライブ終盤に披露された「Noctiluca」だ。同期を取り入れ自由度を増した今の新体制で鳴らす「Noctiluca」は、より洗練されメロディアスな印象を受ける。福永はこの曲に特別な思い入れを持っており、鹿児島の自然豊かな郷愁、夜光虫が光る夜の海を重ねている。この日のために、リアレンジしたのは「free」、そして「Noctiluca」。福永は「そういうの俺、本当に楽しくて。今の技量、想像力で今までの曲をやり直すっていうことがけっこう好きで。ライブでしか、今のところは聴けないので、よかったらまた来てください」と固定概念に捉われずにバンドが進んでいくということを示した。

 「new place」「Count me out」と続き、フロアはダンスミュージックにて福永が上着を脱ぐほどに加熱していく。本編ラストに披露されたのは「Ahead Ahead」。蔦谷好位置を共同プロデューサーに迎えたこの曲をもって、福永は「区切りをつけて、このまま俺らは第2章に入ろうと思います」と高らかに宣言した。

 アンコールでは、ライブでのみ披露していた新曲「Trust」を披露。大澤の軽快なドラムが印象的なダンスミュージックで、山﨑のギターがゴリゴリに鳴り、ボコーダーを用いた福永のボーカルが響く。「Ahead Ahead」より先に進み続けるという、バンドの強い意志をも感じさせる。終演後には、スクリーンにて「Trust」が「東京・大阪・名古屋医療専門職大学(仮称)」のTVCMソングに決定したこと、そして夏のフレーバーを強く匂わせる新曲が今夏リリースされることが告げられた。真の第2章はこの夏に始まるのだと、野心を燃やし続ける雨のパレードのスタンスがそこにはあった。

(文=渡辺彰浩/写真=Ray Otabe)

『ame_no_parade RELEASE PARTY “Ahead Ahead”』セットリストをプレイリストで公開

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