「平成」から「令和」へ 浜端ヨウヘイの歌に悠然と存在する強い“生命力”

浜端ヨウヘイの歌に存在する強い“生命力”

 「平成」から「令和」へと時代が変わりゆく中で、またひとつの名曲が人々の心に突き刺さった。

 平成の音楽史を振り返る様々な企画が花盛りだ。平成の名曲達を聴きながら、思い出しながら、その企画を楽しむのもいいが、この曲を聴きながら時代を見送り、新しい時代を迎えるのもいいのかもしれない――浜端ヨウヘイの「カーテンコール」だ。この曲は今年1月23日にシンガーソングライター浜端ヨウヘイのメジャー1stシングルとして、寺岡呼人プロデュースでリリースされた。“時代”という大きなテーマを歌っていると同時に、一筋縄ではいかない、人それぞれの人生に置き換えることもできる、人生賛歌として幅広い層から受け入れられている壮大なバラードだ。

 この曲の評判がじわじわと広がっている中、出会いと別れを経て、新しい生活が始まる春4月、新たにピアノ弾き語りバージョン「カーテンコール(弾き語り)」が、配信限定でリリースされた。身長192センチという大柄な体から繰り出す浜端の“大きな声”は、力強さと共に、優しさ、せつなさを感じさせてくれるが、その歌声がよりダイレクトに聴き手の心に届いている。

 浜端は「カーテンコール」を、全国各地でインストアイベントやライブで大切に歌い、直接聴き手に届けてきた。聴き手もこの曲への想いや感じたことを浜端に伝え、それを受け取った浜端は、歌詞が持つ意味や深さを改めて感じ、多くの人がこの曲に“居場所”を感じていることを汲み取り、よりストレートに伝えたいという思いに駆られ、弾き語りで歌いたいと思ったという。

 人々が、「カーテンコール」に自身の人生を重ね、思いを巡らせる。それは浜端も同じだ。浜端はシンガーソングライターであるが、この曲の歌詞は寺岡呼人が手がけ、「共作」というスタイルを採っている。それまでのスタイルを変え、シンガーとしてこの歌と向き合った。時代が移りゆくという、“節目”ということを色濃く感じるタイミング、そのスケールの大きな“流れ”の中で、やはりスケール感を感じる声の持ち主の、浜端ヨウヘイというシンガーが歌うことで、そのパワーが炸裂すると、どんなうねりが生まれるのか――寺岡のそんな期待が、この曲には込められているのではないだろうか。そして浜端にとってはチャレンジであり、次のステージへの第一歩になる曲に違いない。シンガー、コンポーザーとしての今後ももちろん楽しみだが、「カーテンコール」後のシンガーソングライター浜端ヨウヘイがどんな作品を作り上げるのかが、もっと楽しみだ。

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