ブルーノ・マーズとの共通点も アイドラ「Do Ya?」に感じる音楽×ファッションの最新モード

アイドラが磨き上げた音楽とファッションの融合

 ここ数年の楽曲でもっとも印象的だったのは、2016年7月にリリースされた「TONIGHT」。80’sポップスのフレイバーと現代的なトロピカルハウス、エレクトロなどを自然に結びつけながら、楽しさと切なさが混ざり合う夏を映し出すこの曲は、アイドラのセンスがもっとも上手く発揮された楽曲の一つだろう。週末のパーティーを舞台にしたMVは各所からの評判を獲得。「この気持ちのいい音楽を日本語で聞けることに感謝」「この最高にカッコつけてる感がアイドラらしくて大好き」「クソおしゃれです。。惚れました」「どこか懐かしいようで新しい」「レストランでのデートにぴったりなオシャレな曲」といったコメントからも、彼らの音楽が様々なシーンに浸透していることが伝わってくる。

「TONIGHT」

 さらに特筆すべきは、メンバーの優れた演奏能力に裏打ちされたライブパフォーマンス。海外の音楽シーンとリアルタイムでつながるような音楽性は“オシャレでセンスのいいポップバンド”という印象を持たれがちだが、じつはメンバー全員がライブハウス出身の叩き上げだ。独創的なフレージング、高い演奏テクニック、観客へのアピール力など、バンドマンとしての下地があるからこそ、幅広いサウンドを融合させたアイドラの楽曲は成り立っているし、それはライブでもしっかりと発揮されている。昨年、自身2度目となる全国ワンマンツアー『I Don’t Like Mondays. 2018 A/W TOUR "A GIRL IN THE CITY"』を成功させるなどライブの規模も確実に上がっているが、彼らのライブパフォーマンスの魅力はここから、さらに多くのオーディエンスに伝わっていくはずだ。

 アイドラが活動をスタートさせた2012年前後、日本のバンドシーンでは4つ打ちのダンスロックが流行していた。ブラックミュージックを基軸とした洗練された楽曲、高いファッション性を備えたアイドラの存在は明らかに異質だったが(筆者には“観客が同じ動きで盛り上がるシーン”に対するアンチテーゼのように見えた)、その後の音楽シーンの変化により、彼らのスタイルが受け入れられる下地がようやく出来てきたように思う。90年代のヒップホップを参照し、ファッション、音楽、ダンスが融合した新曲「Do Ya?」は、アイドラの本格的なブレイクのきっかけになることを、ひとりの音楽ファンとして心から願う。

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

I Don’t Like Mondays.「Do Ya?」

■リリース情報
I Don’t Like Mondays.「Do Ya?」
4月17日(水)デジタルリリース
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■ライブ情報
『I Don’t Like Mondays. LIVE TOUR 2019-2020』
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