Newspeakが瑞々しい音楽とともに放つ不敵な色気 話題のバンドが見せた濃密なWWWワンマン

 そして演奏されたのは、この日にリリースされたEPから表題曲の「Maybe You're So Right, Gonna Get My Shotgun」。「僕らとしてもチャレンジした曲なので」とReiがMCで話していたように、広大な大地をイメージさせるスケールの大きなサウンドスケープと、サビの掛け合いコーラス、マーチングリズムを導入したドラムが混じり合い、どこまでも高みへと昇り続けていくようなユーフォリックな楽曲だ。Stevenによるカウントシャウトで始まった「Perfect Trouble」は、昨年JAMESONのキャンペーン楽曲として期間限定でフリーダウンロード配信された新曲。Reiのシンセによる、どこかオリエンタルなフレーズが琴線を揺さぶる。UKロックに通じる同時代的なセンスを持ちつつ、日本人の叙情性に訴えかけるポップセンスを併せ持っているところも、Newspeakの大きな魅力の一つといえよう。

 ドリーミーかつサイケデリックな音像の「Watch Me Blaze」や、ファルセットを駆使したメロディが美しい「Wall」、ポップなミドルチューン「Wanna Stay」など、「歌とメロディ」を基軸としつつも様々なアレンジで引き出しの多さを見せつけ、Stevenによる圧巻のドラムソロを挟んで「RaDiO sTaTiC」へ。縦横無尽に展開していくリズム隊と、ギター&シンセが織りなすドープなアンサンブルが脳を直撃する。気づけばライブもラストスパート。

「こういうバンドに付いてくれるお客さんはパイオニア!  一番イケてる奴らは、最初にカッコイイことしたやつらだから。ノリ方はそれぞれ自由にやってくれていいと思う。だけど、もし歌いたくて歌えないとか、踊りたくて踊れないとか、迷っている人がいるなら、自信持って思いっきり遊んじゃってください!」

 Reiの力強いメッセージとともに、「Lake」、「What We Wanted」とたたみかけ、美しくも壮大な「July」で本編は終了。アンコールでは新曲「Wide Bright Eyes」を披露し、サビのシンガロングで会場が一体となって、この日のライブは幕を閉じた。

 ロックバンドとしての不敵な「色気」と、最先端でありつつどこか懐かしい楽曲、そしてMCで時おり見せるユーモラスで親しみやすいキャラクター。様々な側面を持つ彼らの魅力が、余すところなく凝縮された濃密なステージだった。

(文=黒田隆憲/写真=kaochi)

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