EP『邂逅ノ午前零時』インタビュー
CIVILIAN、他者との交流&自身最長ツアーで芽生えた変化「表現方法にこだわってる場合じゃない」
やれることは全てを出していきたい
――前回対談していただいたmajikoさんとのステージはどうでした?
コヤマ:負けねーぞっていう感じでやってました。majikoさんのような力のある歌だったら、自分が一歩下がるようなことをしなくても大丈夫だろうって。majikoさんに対する信頼があったので、もう全力でぶつかっていった感じでした。
有田:本番あるあるなんですけど、本番アーティストパワーが出て、ありえない声量で、耳の中がやられるかと思いました(笑)。
純市:オンオフのギャップがめちゃくちゃ激しくて。リハは普通に立って歌ってたんですけど、本番になったらリードしてくれて。フロントマンとして、めっちゃ頼もしかったですね。
有田:やってて、なじみ方が半端なくて。「メンバーとして入ってもらえないかな?」って思いましたね(笑)。ツインボーカルでっていうくらいのなじみ方ですね。全然違和感なくやれたし。初めての感じじゃなかった。
――(笑)。改めて、去年の『INCIDENT619』ツアーから、コラボシングルを経て、ファイナルでの共演までの“他者との交流”を統括していただけますか?
コヤマ:当初、思い描いていたものが、うまく仕上がったなっていう感じがしてますね。ここまでいい形でやれたっていうことが、自分自身にとってもバンドにとっても、今後、ずっとバンドを続けていく上での大きな財産になったなって思います。そして、こういう姿を見せたからには、これから先、何をやってもそんなに驚かれないかなという気もしていて。曲ももっとどんどん自由に作っていけるだろうし、いろんなものを取り入れていけるなっていう気がしています。ポエトリーリーディンングをやって欲しいっていう声もいただいたんですけど、僕もやりたい気持ちがあって。これから先がもっともっと楽しみになってますね。
有田:対バンのバックバンドツアーとコラボをやって、向いてるなって思いました。逆にもっとやりたい人が集まって、やらせてくれればいいのにって。どんな人とやっても、面白いものを作れるんだろうなって思うし、一緒に演奏しても、「うちのバンドだったら全然大丈夫ですよ。任せてください」って言えるなって思う。だから、タイミングがあえば、もっといろんな人とやってみたいし、これを受けた後の自分たちの作品も楽しみだし。本当に今、何でもウエルカムっていう感じではあります。
純市:もっといろいろできるなと思いましたね、今回のツアーは結構、場面展開があって。ロックだったり、ポエトリーのところは舞台っぽかったり。笑ったり、泣いたり、カッコいいところもあれば、ダサいところもさらけ出せるようになったりとか。充実したツアーだったので、もっと膨らませていけたらいいなって思います。
――次がどうなるのか予測できないからこそのワクワクがあるんですよね。
有田:バンドとしては、ゲームで例えると、レベルアップしてきて、クラスチェンジ間近みたいな感じなんですよ。もう少しで違う上位職になる、みたいな。それぞれ、楽器でやりたいこと、アンサンブルでやりたいこと、曲でやりたいことが、新しいことを含めて昇華出来てきて。それがライブっていう形でもちゃんと出せるようになったので、その先に何があるかはまだはっきり見えないけど、より音楽というものを具体的にバンドで表す、楽器で表すっていうことの核心に近づいていくんだろうなっていうことは、何となく思ってますね。
――それぞれが今やりたいなと思ってることはありますか? 例えば、“いちメンバーいち楽器”という旧態の役割さえもいらないようなムードを感じてるんですが。
有田:俺はもうそうですね。楽曲としていいなって思えるものであれば、ドラムを叩かない曲があってもいい。Coldplayみたいに大太鼓をドーンドーンってやっておいてもいいんですよ。The Policeもドラムが少ない曲もあるし、Princeでギターが入ってない曲もある。もっと自由に作ってもらうためのバンドメンバーであることに徹せられればいいなっていう感じですね。
純市:バンドサウンドじゃない曲もやってみたいなって思いますね。打ち込みのような音色でもやってみたいな。
コヤマ:僕もコラボシングルを作ってる最中くらいから「ギターが全く入ってない曲を作りたい」って口にしてるんですけど、それにはいろんな意味があって。ライブだとどうしてもギターから離れられない場面があるので、本当はそこからも自由になりたいんです。例えば、1曲、完全にギターを置いてやれる曲も欲しいなとか。このコラボCDが完成して、ツアーをファイナルまでやって、やっぱりこだわってる場合じゃないなって思ったんですよね。
例えば、歪んだエレキギターが入ってなくちゃいけないとか。バンドってそういうこだわりがあるのも美しいし、それを否定するつもりはないんですけど、僕自身の今の気持ちとしては、表現方法にこだわってる場合じゃないっていうか。自分のやれることは、全てを出していきたいなって思ってます。それがなんなのかは、自分でもこれから考えるんですけど。もしかしたら鍵盤かもしれないし、ギターを持たずに歌うことかもしれないし。何になるのかわからないけど、自分の思いつく表現方法は何でもやってみようっていう感じですね。
(取材・文=永掘アツオ)
■リリース情報
New EP『邂逅ノ午前零時』
発売中
価格:¥1,500(税込)
<収録曲>
01 邂逅ノ午前零時
02 I feat. まねきケチャ
03 僕ラノ承認戦争 feat. majiko
04 campanula ※中田裕二プロデュース
<初回仕様限定盤>
2018年7月18日に開催されたワンマンライブの模様やMVなどがお楽しみ頂けるスペシャルサイトへのアクセスキー封入(閲覧期間:2019年12月25日まで)
応募ハガキ封入