SMAP「世界に一つだけの花」、星野源「恋」……平成彩った“センバツ入場行進曲”を振り返る

平成彩ったセンバツ入場行進曲

ラブソングやシリアスな楽曲も

 ヒット曲に恋愛をテーマにしたものが多いことを考えれば当然の流れかもしれないが、意外にも多かったのはラブソング。星野源「恋」(2017年/第89回)、西野カナ「もしも運命の人がいるのなら」(2016年/第88回)、AKB48「恋するフォーチュンクッキー」(2014年/第86回)といった明るくポップな曲調が目立つ。一方で、過去にはKinKi Kids「硝子の少年」(1998年/第70回)や宇多田ヒカル「First Love」(2000年/第72回)といった楽曲も。原曲の切ないイメージは行進曲とはそぐわないように感じるが、アレンジされたバージョンはブラスやスネアドラムなどのサウンドでぐっと明るいものに。先に挙げた応援ソング同様、行進曲にふさわしいテンポになっている。

 ラブソングではないものの、コブクロ「蕾」(2008年/第80回)といったバラード、TOKIO「宙船」(2007年/第79回)などシリアスな雰囲気の楽曲も起用されてきたが、どれも見事なアレンジで行進曲らしい仕上がりとなっていた。

 こうして振り返ると、平成30年の間で実に幅広い楽曲がヒットし、行進曲としても愛されてきたことがわかる。甲子園駅では大会期間中、「世界に一つだけの花」が列車接近メロディーとしても使われるという。今年はどんなアレンジをされているのかにも注目しながら、平成最後の『センバツ』を楽しみにしたい。

(文=村上夏菜)

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