Gothic×Luck『Starry Story EP』インタビュー

Gothic×Luck、TVアニメ『けものフレンズ2』エンディングテーマを歌う新星2人組の見据える未来

しぃちゃんと一緒に活動したい人と、魔法の世界で暮らしてみたい人

——そしてCD3曲目の「星の帰り道」はハードロック。かわいらしいギターポップだった「星をつなげて」からこの曲まで、だんだんギターがエモくなっていく感じが面白いですね。

菅:確かに(笑)。

八木:この曲って出だしから伸びやかさというか、加速する感じもありつつ、でも軽やかさや踊りたくなるような雰囲気もあって。その聴いたときに感じた印象を歌うときにもなくしたくなくて。聴いた方にも「あっ、伸びやかさがいいな」とか「おっ、ここは軽やかになるのか」とか、そういうことを感じてもらえるように歌いました。

菅:私はこの曲が一番難しくて、(歌詞カードの大サビ付近を指さしつつ)こことかは……。

八木:キーが高かったもんね。

——でもすごくキレイに高音を鳴らしてましたよね。

菅:ただこの一番盛り上がるところに英語の歌詞も出てくるし……。英語を話すの苦手だから、とりあえず意味を調べて、歌詞を身体に取り込むようにして、その上でこの高いキーを歌ったので、かなり私の声から努力のにじみ出ている曲になった気がしています(笑)。サビの〈ルルルタタ〉みたいなかわいらしいフレーズはとにかく笑顔で歌えば楽しい気持ちが伝わるかな、ってホントに必死でした(笑)。


——ただ「笑顔で歌ってね」と“言うは易く行うは難し”というか……。プロクオリティの笑顔で楽しげな声を出すことって、やっぱり大変な気がするんです。だからこそおふたりともテクニカルだな、とも思っていたんですけど……。

菅:ホントですか! でも私は感覚的に歌ってました。「言われたことをやってみた」「できた!」って感じではあって。だから逆にしぃちゃん(八木)は大変だったんじゃないかな?っていう気はしています。私が感覚で歌い過ぎちゃった分、その声に合わせるためにいろいろ考えてくれたんじゃないかな、って……。

八木:かなり練習はしたけど、それは菅ちゃんのせいじゃないよ(笑)。

菅:よかったー……。

八木:私、デモを聴いただけで歌うと、実際のメロディと若干音程が違ったりすることもあるから、まずいただいた楽譜に歌詞を書き出して、それぞれの単語や文字の音程の上下を完璧に覚えるようにしているんです。で、次に歌詞を読み込んで「あっ、このフレーズは楽譜に忠実になりすぎると、言葉が途切れちゃって意味が通じなくなるから、ちょっとブレスの位置を考えよう」「ここはひと息で歌おう」って歌い方のプランを作って、あとはひたすら録音しては歌って、それを聴き直してはまた歌を録ってを繰り返してました。実際の歌声を聴いて「今のはちょっと暗すぎたな」「今度は明るすぎたな」っていう感じで、自分の理想にちょっとでも近付けるように調整をしてからレコーディングに臨んで、現場でまた新たにアドバイスをいただいて、声を完成させるようにしていました。

——菅さんはレコーディング前ってどんなリハーサルを?

菅:歌詞を書き出したあとはカラオケボックスに行って何回も何回も何回も歌うようにしているんですけど、高校生はひとりでカラオケボックスにいていい時間というのが決められていまして。なので母と一緒に行くようにして……。

——保護者同伴ならOKだから(笑)。

菅:で、また何回も何回も何回も歌って、隣で聴いていた母に意見を聞くと、ひとりでは気付かなかったポイントを教えてくれるので、それでまた修正して……っていうことをやっていました。あとはしぃちゃんと同じく、録音して、あとから何度も聴き直していました。

——そしてCD4曲目、「きみは帰る場所」と同じく佐藤さんアレンジの「月と太陽」……。

菅:(なぜか小声で)すごい曲ですよね?

——はい(笑)。逆に佐藤さんにクレーム入れていいとすら思いますよ。「ここまで3曲ずっとギターロックだったのに、なんで突然ラテンハウスなんだよ!」って。

菅:あはははは(笑)。

八木:でも逆なんですよ。

——逆?

八木:プロデューサーさんが「(ちょっぴり大人びた、どこか魅惑的な)ダンスをテーマにした曲がほしい」って作家のRIRIKOさんと佐藤さんにお話しして作っていただいた曲なんです。

——なるほど! むしろこの曲はおふたりのためを思って作られたダンスナンバーだ、と。最初のお話に戻ると、おふたりの音楽的ボキャブラリーにはラテンハウスってなさそうですよね?

八木:母が好きで歌っていた「コーヒールンバ」って曲があって。なんかすごくあの曲っぽいなと思いました。

——ああ、ボサノヴァベースの曲だからリズムの刻み方は似ているのかもしれませんね。

八木:ただ確かにほかの曲とのギャップにはビックリしました(笑)。すごくしっとりしているというか、ミステリアスな感じというか。だからキャラクターとして作った声のいいところも出せるように、でもこの曲のクールないいところも出せるようにっていうことはすごく考えました。

菅:「空気感を大切にしてほしい」と言われていたのでそれは意識したし、あと私はこの曲調にすごく気持ちを乗せることができて。最後の〈ぼくらの物語〉というフレーズを歌いきったあとなんかは、思わず「気持ちいい!」って言いたくなるくらい爽快感がありましたし。私、けっこう歌い方のクセが強いほうなんですけど、そういうニュアンスも少し活かしてもらえたり……。

八木:ほかの4曲では「クセ押さえて」って言われてたもんね(笑)。

菅:「菅ちゃん、クセ!」「あっ、すみません!」って感じで(笑)。だけどこの曲はそういう私のクセが逆に味になってくれたんじゃないかな? っていうところもあって、歌っていて一番楽しい曲だったかもしれません。

——個人的な今年の目標みたいなものってあります? ちょうど4月から新年度が始まるし、5月には元号が変わるし、なにか新しい目標を立てるいいタイミングのような気もするんですけど。

菅:歌詞を私が書いて、しぃちゃんがジャケットとかPVとかのイラストを描いて、ふたりの手の入ったCDを作ってみたいっていう話はずっとしています。

——今は個人的にもGothic×Luckとしての活動が一番大切だ、と。

菅:そうですね。

——どうします? これで八木さんに今年の目標を聞いたら、全然Gothic×Luckと関係のない話を始めたら。

菅:えーっ!? 私、見捨てられちゃうんですか?

——さて、八木さん、新年度、新元号の目標は?

八木:洋画に出たいです!

菅:あはははは(笑)。見捨てられた!

八木:いや、もちろん菅ちゃんがイヤって話ではなくて(笑)、ファンタジー映画……特に『ハリーポッター』シリーズが好きなんですけど、今、その『ハリーポッターシリーズ』の新作として『ファンタスティック・ビースト』シリーズが作られているんです。全部で5部作になる予定で、今第2部まで公開されているんですけど、残り3部作のどこかに出たいんです。それこそ通行人Aでもいいし、なんなら石ころの役でもいいので、本当に出たいんです!

——じゃあ、ここで大々的にアピールしておきましょう(笑)。「新人声優・八木ましろさんが『ファンタスティック・ビースト』シリーズへの出演を希望しています」と。

八木:魔法の世界の住人として一瞬でもいいから息をしてみたいので、本当によろしくお願いしますっ!(笑)。その時は菅ちゃんも一緒に出ようね!

菅:やったー! そうします!(笑)


(取材・文=成松哲/写真=はぎひさこ/ヘアメイク=Yuu.(エイトセンシズ))

■リリース情報
『Starry Story EP』
Gothic×Luck
発売日:3月13日(水)
初回限定盤
価格:¥2,500+税
完全生産限定けものフレンズ盤
価格:¥2,500+税
Jacket Illustration(けものフレンズ盤) / 吉崎観音
通常盤
価格:¥1,800+税

初回生産分限定特典
・イベント参加券封入
発売記念スペシャルイベントの参加券を封入。
※通常盤・初回限定盤・完全生産限定けものフレンズ盤の初回生産分に封入。
※場所などの詳細は後日発表

初回限定盤特典
特典DVD
内容:MV収録(詳細は後日発表)
<けものフレンズ盤特典>
オリジナルステッカー2種セット
絵柄等の詳細は後日発表
Jacket Illustration(初回限定盤) / げみ

<収録予定曲>
「星をつなげて」(けものフレンズ2 エンディングテーマ) 作詞/作編曲:じん
「タイトル未定」 作詞:林 英樹 作曲/編曲:佐藤純一(fhána)
「オトノイロ」 作詞/作編曲:三矢禅晃
「星の帰り道」 作詞/作編曲:ANCHOR(ZiNG)
「月と太陽」 作詞/作曲:RIRIKO 編曲:佐藤純一(fhána)
全5曲収録(予定)

■配信情報
・Gothic×Luck「星をつなげて(Tv size)」各DLサイト&ストリーミングサービスにて配信中。
・どうぶつビスケッツ×PPP「乗ってけ!ジャパリビート(Tv size)」各DLサイト&ストリーミングサービスにて配信中。
・どうぶつビスケッツ×PPP「乗ってけ!ジャパリビート」、iTunes Store、レコチョク他、各ダウンロードサイトにて配信中。

ジャパリパークのフレンズたちの楽曲を含めたプレイリスト「けものフレンズみゅーじっく!」を主要ストリーミングサービスにて公開中。

Gothic×Luck公式サイト
(C)けものフレンズプロジェクト2A

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