ドラマ『3年A組』と主題歌「生きる」に共通する、“優しさ”や“温かさ”の構造

甲本ヒロトと真島昌利が歌い奏でてきた、人の心が持つ弱さと強さ

 シチュエーションが違っても、人の心が持つ弱さと強さを、ザ・クロマニヨンズのメンバーである甲本ヒロトと真島昌利はずっと歌い、奏でてきた。THE BLUE HEARTS、THE HIGH-LOWSを経ながら、二人が残してきた不器用なようで力強いシンプルなコードに乗せられたメッセージが、現在になってもあちこちで流れてくるのは、ハ長調音階のように人の心に優しさや温かさを蘇らせてくれるからかもしれない。

 そう考えると『3年A組』で菅田将暉演じる柊一颯の生徒や世間への一切ブレない視点が生む、温かい眼差しと鋭い檄は、ザ・クロマニヨンズの「生きる」そのものである。どんなに辛くて迷いがあっても、この先もこの曲で真っ直ぐに生き抜いていってほしい。そんな柊一颯の声が聞こえてくる。

(文=石川雅文)

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