TRUEのライブに溢れるアニメ&アニソン&音楽への愛 デビュー5周年記念ライブ第1弾を見て
アニメ愛、アニメソング愛、音楽愛にあふれた後半戦
自身の思いを言葉で綴ることが以前から好きだったと語った彼女は、“自動手記人形”が主人公のアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』との出会いを喜ぶとともに「好きな相手には思っていることを伝えてほしい」「愛や思いを自分のしたためた言葉で伝えてほしい」とすると、ピアノとアコースティックギターをバックに、そのアニメのオープニングテーマ「Sincerely」を優しく歌うも、その後はまたもや怒濤の展開に。ステージ上空のミラーボールがブルーの光を乱反射させる中「BLUE MOON CHILD」を披露し、この曲が収録されるシングルの表題曲にしてTVアニメ『最弱無敗の神装機竜』のオープニングテーマ「飛竜の騎士」ではヘヴィロックサウンドに乗せて圧巻のロングトーンボイスを会場いっぱいに響かせる。また小気味いい8ビートのロックナンバー「JUMPIN’」ではオーディエンスと〈Please!! Please!! 声を聞かせて(本当の声を聞かせて)〉、〈Please!! Please!! ハート揺らして(もっともっと飛べるぜ High Jump!!)〉の大コール&レスポンスを展開。その後はTVアニメ『バディ・コンプレックス』のオープニング曲「UNISONIA」、『レガリア The Three Sacred Stars』オープニングテーマの「Divine Spell」と“正調アニメソング”とでも言うべき超アッパーチューンで畳みかけて、ライブ後半戦を一気に駆け抜けた。
その後「感謝の気持ちを込めて」と、TVアニメ『終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?』のエンディングテーマである、フォーキーな「フロム」でライブ本編を締めくくったTRUEは、アンコール代わりにオーディエンスが発した、自身のニックネームである「おつる」コールに応えてステージに舞い戻ると、最新シングル曲であり、『転生したらスライムだった件』のエンディング主題歌「Another colony」をドロップ。この曲でオーディエンスと〈許し合うことの 答えになる 僕らは 負けちゃいけない〉という決意の言葉をシンガロングした彼女は、さらに新たな1曲を披露する。4月19日に全国公開される映画『劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』の主題歌「Blast!」を4月17日にリリースすることを発表すると、「アニメ版『ユーフォニアム』第1期から5年分の思いを今日届けていいですか!」とこの曲を初披露。この日の1曲目「DREAM SOLISTER」とトーンやマナーを同じくするブライトなブラスサウンドを背に、音楽活動ができる喜びを全身で表現すると、続けてTVアニメ『響け!ユーフォニアム2』のオープニング曲「サウンドスケープ」を爽快に歌い上げて、自身の5周年記念ワンマン企画第1弾「SINGLE COLLECTION」を締めくくった。
……かと思いきや、バンドメンバーを送り出し、ステージに1人残ったTRUEは満員のO-EASTのオーディエンスとともに「DREAM SOLISTER」のサビをオフマイクのままアカペラで大合唱。その歌詞に込められたメッセージこそがこの公演を開催した意味、そしてボーカリスト・TRUEが歌い続ける意味なのだろう。〈La La La La La 君の声 聴かせて欲しいよ La La La La La 終わらない音楽は 続いてゆく〉。このフレーズのとおり、この日のTRUEとオーディエンスともにどこまでもアニメ愛、アニメソング愛、音楽愛にあふれたひとときを過ごしていた。
(文=成松哲)