CYNHNが生み出した燃えあがるような“青” 初ワンマンで見せたヴォーカルグループとしての真骨頂
アンコールでは、崎乃奏音が作ったアカペラメドレーが披露された。そしてもう一度「FINALegend」。リリースイベントでのライブを除けば、実はCYNHNがライブでアンコールを行ったのも、この日が初めてのことだった。
本編のMCで、百瀬怜はZepp Tokyo、日比谷野外音楽堂、そして日本武道館へも行きたいと抱負を語った。その言葉に「絶対に連れていくから」と続けた綾瀬志希。彼女たちが能天気な夢物語を話しているのではないことをファンは知っていたはずだ。前日である2月23日に、ディアステージの先輩である妄想キャリブレーションが活動終了ライブを行い、それをCYNHNも見ていたのだから。特に青柳透は、CYNHN加入以前から熱心な妄想キャリブレーションのファンだった。
CYNHNの「FINALegend」にはこんな歌詞がある。
〈終わりがあって始まんだよ〉
終わりがあるがゆえに始まるものがある。それを痛いほど知ったうえでCYNHNは『Link to Blue』のステージに立った。歌うことへの覚悟に満ちた、燃えあがるような「青」を、その日のCYNHNはたしかに生みだしていたのだ。
(写真=BOZO)
■宗像明将
1972年生まれ。「MUSIC MAGAZINE」「レコード・コレクターズ」などで、はっぴいえんど以降の日本のロックやポップス、ビーチ・ボーイズの流れをくむ欧米のロックやポップス、ワールドミュージックや民俗音楽について執筆する音楽評論家。近年は時流に押され、趣味の範囲にしておきたかったアイドルに関しての原稿執筆も多い。Twitter
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