RIRI、本格ダンス披露で“NEO”な姿見せた初の全国ツアー 清水翔太も登場した東京公演レポ

RIRI、清水翔太も登場した東京公演レポ

 序盤で披露したダンスもそうだが、今回のRIRIのダンスはかなりのハイレベル。フォーメーションも、よくある“シンガー+バックダンサー”という作り方ではなく、“5人で踊る”チームパフォーマンスになっていて、なおかつ動きのひとつひとつが俊敏で力強く、女性らしいセクシーさも併せ持つものだった。それもそのはずで、今回のダンサー陣は、日本で注目度上昇中のダンスクルー、GKKJのオーディションによって選抜されたメンバー。国内外のストリートダンスの大会で優秀な成績を収めているメンバーや、世界的スーパースターであるクリス・ブラウンのミュージックビデオに出演しているメンバーまでいる。そんな若き才能たちに比肩するパフォーマンスを繰り広げたRIRIには脱帽の一言。今ツアーの振り付けを担当したのは、Beyonceのツアーダンサーとして活躍し、「Beychella」として語り継がれている2018年の『コーチェラフェス』で、Beyonceのステージ最前列でパフォーマンスを披露したキーラ・ハーパーと、ジェイソン・デルーロのワールドツアーに唯一の日本人として帯同したCahogold。彼女たち2名をLAから日本へ呼び、約1カ月のダンスレッスンをしたという。歌だけでなくダンスでもずば抜けたスキルとセンスを発揮した彼女の姿は、まさしくNEOだった。

 その後は、Zeddのヒット曲「Stay」の日本語カバーに続き、ONE OK ROCKの「Change」をアコースティックアレンジで披露。歌い終えたRIRIは、「Change」について「自分らしく生きることを選択する。そして変わるのに遅すぎることはないんだというメッセージで大好きな曲です」と紹介してからMCに入った。

 そのMCで「私たちはいつからか子供の頃のようには自由に夢を描けなくなります」と伝え、人は色々な経験をする中で自分の信念を揺さぶられたり、他人の声に左右されてしまうようになっていくと漏らした。でも「全員が間違いなくすごい存在で最高に輝く世界を持っている。その輝く最高の自分になる世界の入り口は自分の心が教えてくれる」とメッセージを送る。続けて、グラミー賞獲得という自らの夢を語り、「これからも自分自身を信じるということにチャレンジし続けます!」と力強く宣言。「何を言われようと、笑われようと、関係ないです! これから音楽を通じて、みんなをもっともっとたくさん応援していきたいと思っているので、みんなで、みんなの最高をめざしていきましょう!」と叫ぶと、RIRIを応援する大きな拍手が会場から沸き起こった。

 その流れで〈この世界信じたもん勝ちよ/未来は it's gonna be beautiful〉と歌う「Promised Road」を披露したあと、ライブはラストスパートへ。「HONEY」「RUSH -Seiho Remix-」「Crush On You」「Be Alright」と続け、ポップな四つ打ちチューン「Keep Up」の間奏ではフロアの観客をしゃがませて一斉にジャンプ。最後は最新アルバムのタイトル曲である「NEO」を、可愛さと格好良さが同居したフォーメーションダンスで披露し、本編が幕を閉じた。

 鳴り止まない拍手に迎えられたアンコールは、デビューEPより「COLOR ME」からスタート。歌い終えると、今日素晴らしいステージを見せてくれた彼女に思いを伝えるように、「RIRI! RIRI!」と彼女の名前を呼ぶ声があちこちから自然と上がった。続いてRIRIが、次は「Forever」を歌うと紹介すると会場からゲストを期待するどよめきが。その声に応えるようにRIRIが、この曲を作詞作曲した清水翔太をサプライズゲストとして呼び込むと、会場から割れんばかりの拍手と歓声が沸き上がった。お互いの印象を少し話したあと、翔太はRIRIの才能を「日本のR&Bに携わる人たちの希望」と絶賛。ソウルフルな歌声を見事に重ねた「Forever」を歌い終えると、その圧巻のステージに先程よりさらに大きな拍手が会場中に鳴り響いた。

 最後はオリジナルバージョンの「RUSH」をダンサーと共にパフォーマンス。サビ部分ではフロアから無数の手が上がるなど、熱気と興奮に包まれて、およそ2時間のライブは大団円で終了した。

 10代とは思えないソウルフルな歌声でシーンに颯爽と現れ、海外にも通用する楽曲群と、日に日に磨きがかかるボーカルで多くの耳を引きつけているRIRI。そこにダンスという武器が新しく加わったNEOなRIRIは、まさに無双。MCでグラミー獲得の夢を語った彼女だが、世界への新しい扉が間違いなくここから開く。そう思わせるライブだった。

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(文=猪又孝)

RIRI公式サイト

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