“サブベース”がポップスで果たす役割 ビリー・アイリッシュ、ジェイムス・ブレイクなどから考察

 近年のポップスにおけるこうしたサブベースの使い方のルーツをたどっていくと、ジェイムス・ブレイクに突き当たるように思う。彼が2011年の1stアルバムに収録したFeistのカバー「Limit To Your Love」には、猛烈なサブベースが登場する。

James Blake - Limit To Your Love

 ダブステップのワブルベースをピアノ弾き語りにフィーチャーする特異な構成は「when the party's over」を彷彿とさせるし、メランコリックな歌詞や歌声も通じる部分がある。今やイギリスを代表するSSWである彼は、ビヨンセをはじめとしたアメリカのスターから引っ張りだこの才能でもあり、現在の北米のポップミュージックに大きな影響を与えている。

 メロディやコード進行によってかき立てられる感情を超えて、響きそのものがより深い情動へと訴えかけてくる。ビリー・アイリッシュやジェイムス・ブレイクの例は、単なるトレンドではないサブベースのポテンシャルをポップスに導入していると言えよう。

■imdkm
ブロガー。1989年生まれ。山形の片隅で音楽について調べたり考えたりするのを趣味とする。
ブログ「ただの風邪。」

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