立花理香が語る、ソロデビューからの濃い1年「人生的に大きく変わることが多かった」

立花理香、ソロデビューからの濃い1年

「挑戦が成功したことで大事な1曲になった」

ーーそうやって何回も歌って正解を見つけていくことに関しては、この1年打席に立ち続けてきたわけじゃないですか。1枚作るごとに打率が上がっているという実感はありますか。

立花:球種によるかもしれないですね(笑)。同じストレートの曲でも、「インコースに行きたいね」とか、「アウトコース低めなら振りすぎないほうがいいんじゃないか」とか、色々アドバイスをいただきながら打率を上げようと努力しています。

ーー歌については、『Flora』ではキャラを設定して歌うこと、2ndミニアルバム『LIFE』ではありのままの自分でストレートに歌うことを意識していましたが、今回はその中間の歌い方を選んでいるような気がしました。

立花:ありがとうございます!(拍手)とても嬉しいです。今回は確かに主人公っぽい女の子像をイメージしながら歌っているんですが、初めてシングルを出させていただくにあたって、これまで勉強したことを詰め込みたくて、ナチュラル感の中にちょっとしたキャラクター感を入れられたらいいなと思ったんですよ。だからそう言っていただけると嬉しいです。挑戦が成功したことで大事な1曲になりました。

立花理香 / カラフルパサージュ(Short Ver.)

ーー90秒バージョンと違って、フルサイズではジャズっぽいアプローチが入るなど、大人っぽい要素を含んでいるのも面白いなと思いました。

立花:ワンコーラスだけだと、そこまで気がつく方も少ないんですが、2番サビ終わりの間奏からだんだん“大人として踏み出していく”という感じが曲にも歌詞にも出ている気がします。MVには5人の私が出てくるんですけど、ウィンドウショッピングをしている風の映像になっていて。

ーーショートバージョンのMVでは3人だったんですが、合計で5人になるんですね。

立花:主人公のナチュラルな立花のほかに、パンク・レトロ・クール・ガーリーという並びになっていて、MVでは一番パンチが強い“パンク”が最初に出てきたので驚きました。

ーー今回の撮影を通して色んな一面を出せたのも新鮮だったんじゃないですか?

立花:今回はマネキンなので、動かずにポーズだけでそのキャラ感を表現する、というのは難しかったです。“パンク”の時に「ガン飛ばしてみましょうか?」って提案してみて、実際にやってみたんですけど、「もう少しマイルドめで……」と言われてしまいました(笑)。あと、“ガーリー”では私物の服を着ることになって、自宅から大量に服を持っていったんですが、現場でスタッフさんたちと「ガーリーとは?」と議論になって、最終的に上下ピンクめのスタイリングになりました。レトロは今まで着てこなかったタイプの衣装なので面白かったですし、フルウィッグなのですが金髪になれて嬉しかったです。一回やってみたかったので!

ーー金髪ショート姿は新鮮でしたね。1月20日にイベントでMVを解禁しましたが、ファンの方からの反応はどうでしたか?

立花:「どういう反応をしてくださるんだろう?」と私自身はドキドキしていたんですが、「ここは絶対笑うだろう」というところでちゃんと笑ってくださったのでホッとしました。

ーーそしてカップリングの「緑の時計」は、自身で作詞した楽曲ですね。

立花:書いちゃいましたね〜(笑)。もう3曲目ですよ。

ーーとはいえ、これまでの2曲は作品全体のコンセプトを踏まえたうえで作詞したものじゃないですか。今回はシングルのカップリングということで、比較的自由にやれたのでは?

立花:今回のほうが自由なぶん、書き始めるにあたっての手がかりが少なかったんですよ。ツルツルした壁から掴む場所を必死に探っていました。

ーー「これなら書ける!」と手応えを感じたのは、どのタイミングだったんですか?

立花:曲を聴いて「ここが気になるな、この雰囲気好きだな」というパートがあって、繰り返し聴きながら「この言葉を入れたいな」と思えるようになってきて。「それならここにこういう言葉があるといいな」と広げて書いていきました。

ーーそれはどの部分ですか?

立花:1番と2番のBメロと、Dメロの部分ですね。個人的にキュンときたんです。

ーー全体的に特定のアイテムや情景が出てこないぶん、受け手を選ばない曲になってると思います。

立花:ありがたい!(拍手)発売が2月ということもあって、環境が変わる方も多い時期なので、そのあたりは意識しています。学生さんだと、新しく友達ができるかもしれないけど、今まで仲の良かった子とは離れてしまうかもしれない、という出会いと別れの季節でもあるので。私自身も今でも仲がいい同級生がいて、帰省したときに会うと「何年経っても変わらないこの関係っていいなー」と思ったり、家族に対しても「変わってるけど変わってないな」と感じたり、「変わるところと変わらないところは共存するんだ」と気付いたので、そのことをイメージして書きました。

ーー冒頭で「濃い1年だった」と振り返っていましたが、まさにその移り変わりを表現しているようですね。

立花:アーティスト活動を始めさせていただいたり、新しい家族である可愛いきなこちゃん(ハムスター)をお迎えしたり、自分の人生的に大きく変わることが多い1年でしたからね。これまでは、両親と仕事の話をすることはあまりでなかったんですが、ここ1、2年で急に話す機会が増えたり、「CD買ってきたよ!」って私のCDを買ってくれていたり。今までやってなかったことを始めて、気づかなかったことに気づくようになって、色んな転機が多かったので、そのあたりは影響している部分が大きいかもしれません。書くべくして書いたとでもいいましょうか。

ーーそんななかで、唯一限定的な言葉として使っているのが〈芝生〉なんですよね。

立花:良いところに目をつけていただいた(笑)。歌詞を書く時に表テーマと裏テーマを作っているのですが、この曲に関しては、これから春が来て桜が咲くだろうし、秋には葉っぱが紅葉しだして赤くなる、色んな人と過ごした時期を思い浮かべると、その時の空とか風景を思い出すことが多いなと思ったんです。そういう変化で時間経過を感じてるのに気づいて、タイトルが決まりました。

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