SWANKY DANKは“WHITE FLAG”を掲げて進んでいく 強い意志こめた新体制初ツアーファイナル

SWANKY DANK、新体制初ツアーファイナルレポ

 ミニアルバム『WHITE FLAGS』のリリースに先駆けて、昨年11月に千葉LOOKからキックオフしたSWANKY DANKのワンマンツアー『WHTE FLAGS TOUR 2018〜2019』が、アルバム発売日の1月23日に渋谷TSUTAYA O-WESTでファイナルを迎えた。ドラマーSHUNが脱退し、KOJI(Vo/Ba)、YUICHI(Gt/Vo)、KO-TA(Gt)の3人体制となって初のツアーであり、ミニアルバムにも参加したWANI(Dr/ex-ketchupmania)が全日程のサポートドラマーを務め、4人でタッグを組んできたツアーである。歓喜に沸く観客に迎えられてステージに登場した4人は、まずはがっちりと互いのコブシを突き合わせて気合いを入れると、1曲目「White Flag」で勢いよくスタートを切った。これぞSWANKY DANKのポップパンクという、キャッチーで痛快なパワーを持ったこの曲は、ツアーでライブを重ねながらさらに鋭さを増している。そしてダイナミックなドラミングとKOJIの「ジャンプしようぜ!」の叫びで会場の熱気をグンと引き上げる「number」、「パンクロックは好きですか」というKOJIの問いにフロアのコブシが高く掲げられ、大きなシンガロングを起こす「One Sided」「Promise」とファストチューンを連投するなど、頭から容赦なくアグレッシブなセットリストだ。

 「ツアーファイナルへお越しいただいて、誠にありがとうございます。ツアーの最終日にミニアルバム『WHITE FLAGS』を発売するという奇抜なことをする、SWANKY DANKです」(KOJI)。そんな挨拶の後、「楽しい日にしていこう」という言葉を合図に、YUICHIとKO-TAのユニゾンギターで「misery」、そして「Gentleman of Fortune」と2014年のアルバム『Circles』からの曲でファンを興奮の渦にたたき込むと、「東京では久しぶりにやる曲を持ってきた」(KOJI)と「music」をプレイ。観客のシンガロングのボリュームが気持ちよく上がっていく。この中盤で再び『WHITE FLAGS』からの曲「Tell Me」「Infinity」、「Brainwashed」がプレイされたが、これらもすでにライブ曲として磨きがかかっている。バンドが3人体制となって制作されたミニアルバム『WHITE FLAGS』は、これまでのソングライターそれぞれの分業的な方法から、共同作業、“バンド”で作り上げていった曲が並ぶ。「昨年は、心をぶち抜かれるくらいの出来事がありました。ドラムSHUNちゃんの脱退は、ヘコみました。ひとつの柱が減って、どう前を向いていこうかと考えたら、3人で思いっきり話をするしかなかった」。KOJIはMCでそう語った。そして「諦めてたまるかという曲が、いっぱい入ってる」と付け加えた。

 『WHITE FLAGS』に収録されている「White Flag」や「Tell Me」といった原点回帰的なポップパンクは、より高い精度で刺さるキャッチーさやノリのあるビート、ソリッドなライブ感を重視し、「Brainwashed」やタイアップ曲「Infinity」ではダイナミックなスケール感とエモーショナルな歌というこのバンドの武器を立体的に構築して、奥行きある曲を作り上げた。制作では、互いに解り合っていると思っている部分(メンバーふたりが兄弟ということも大きかったと思うが)も言葉にし、バンドとしての認識や決意を新たにしたという。「ここで諦めたくない」という思いの強さは、ドライブ感のあるプレイとなって曲を動かしている感がある。そして、制作、ツアーで3人と時間を共にしているWANIの存在感もとても大きく、スキルフルなドラムで曲のエンジンを担っているのも心強い。本来、昨年中にリリース予定だった『WHITE FLAGS』は、バンドとして納得のいく、これまで以上に精魂込めた作品にしたいと延期を決めた。よってツアーを追いかける形でこのファイナルの日にリリースとなったが、だからこそ「発売できた喜びを噛み締めながら、今日のこのステージに立っている」とKOJIはMCをし、3人体制となってから今日を迎えた万感の思いを音楽にぶつけた。

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