KinKi Kidsの飾らず、気負わず、ゆるゆるとした姿 『どんなもんヤ!』25年間変わらないスタンス

 そして2月4日放送回には、久しぶりに2人揃って登場……のはずが、聞こえてきたのは堂本光一の声のみ。「今日はね、2人の放送の予定でございます。さっきね、一緒の仕事で出たんですけど、私のほうが早く到着しちゃいましてですね、ちょっと先に始めちゃってます」と伝え、躊躇なく最初のお便りを読み上げる。それはリスナーからの「25周年イヤーを記念して久しぶりに公開収録を!」というリクエストだったのだが、「いやー、もういいんじゃないかな」とバッサリ。そこに「あ、来た! 来ました。もう始まってますから」と、堂本剛が到着する。ここまで、ものの数分。“光一よ、なぜ待てなかったんだ”な展開だ。

 堂本剛も「いーっす」と、先に始まっていることに全く動じず、まるで小規模の飲み会に遅れて参加したかのようなゆるさ。「今、僕が言ってたのは、もう(公開収録とか)やらなくていいんじゃないかなって……」と、堂本剛に冒頭のくだりを説明する堂本光一に、ますます“なぜ先に始めたんだ”感が高まり、つい笑ってしまう。

 ようやく2人揃ったと思ったら、今度はトイレットペーパーについてのトークが白熱。特に、トイレットペーパーは断然ダブル派だという2人は「分厚いよね、単純に。あの……こう拭いてるときに破れへん、手で拭くみたいなね」(堂本光一)、「しっかりと、だからそのー捉えてる感じあるよね」(堂本剛)と盛り上がる。そんなアイドルらしからぬ生々しい表現も、この番組では珍しくない。これまでも散々下ネタで盛り上がる2人を知っているスタッフ&リスナーは、“またいつものウンコ好きが出た”くらいにしか思わなかったはず。

 にも関わらず、急に堂本光一が「僕はアイドルなんでウンコはしないですよ、僕は。さっきからトイレットペーパーで、やわらかすぎて拭いた瞬間に、ビリっと破れて手で拭いてまうって、想像ですから!」と謎の路線変更をしてみせる。これには堂本剛も「何なん、このキャラ。絶対ウンコしてるし!」とツッコまずにはいられない。しかし堂本光一は「想像です」と、一切ひるまない。さらに、マネージャーから誕生日プレゼントに高級トイレットペーパーをもらったことも「なんで俺にくれたのか、謎やねん。あ、お客さん用か!」とキャラを守り続けるのだった。

 先にラジオを始めていても、文句ひとつ言わなかった“仏の”剛も、なぜかウンコに関してだけは「100パーしてる!」「ウンコしかしてない!」「このキャラ、何の得があんねん、今さら。この平成終わるときにウンコしてませんて!」と食い下がるやりとりも、くだらなすぎて、最高だ。こんな愛しい時間なら、あと25年は軽く聞き続けられるだろう。これからも、飾らず、気負わず、ゆるゆると……KinKi Kidsとスタッフとリスナーの笑っちゃうほどしょうもなくて、涙が出るほど幸せな時間が、この先もずっと続くことを心から願っている。

(文=佐藤結衣)

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