シングル『MUGEN』インタビュー
ロッカジャポニカが目指す独自のアイドル像と2019年の決意「チャレンジを続けていける年に」
ロッカジャポニカが、2018年12月12日にニューシングル『MUGEN』をリリースした。同作では、メンバー初のソロ曲がそれぞれのセルフプロデュースで実現しており、表題曲はそのソロ曲を合体させた斬新な楽曲となっている。また、4月29日には“平成最後のワンマン”と題して中野サンプラザ公演も決定し、その前哨戦となるツアーが控えている。今回のインタビューでは、今作に至るまでの各メンバープロデュース公演から、ソロ曲のこだわりを含めてロッカジャポニカの“第二章”について聞いた。(編集部)
第二章は「脳学習」「脳」がコンセプト(内山あみ)
ーーロッカジャポニカの2018年は「第二章への移行」という大きな転換点がありましたね。
高井千帆(以下、高井):デビューからの第一章は学習とか学業、学校をテーマにしていて。
内山あみ(以下、内山):MVや曲もそういった内容をテーマにしていたんですけど、第二章は「脳学習」「脳」をコンセプトとして特化することになって。
ーーアイドルが「脳」をコンセプトにするというのは、かなり驚く、というか「変」ですね。
内藤るな(以下、内藤):そんなアイドル聞いたことないですよね(笑)。
高井:私達も聞いた時は「え、脳って何?」って。私は「能」の方かと思いました(笑)。
平瀬美里(以下、平瀬):狂言とか能とか?
高井:そうそう。
内藤:伝統芸能アイドル(笑)。めっちゃジャパニーズじゃん!
内藤:ジャポニカって部分にはぴったりだね(笑)。
椎名るか(以下、椎名):確かに!
内藤:でも、ブレインの方の脳で、第二章最初のシングルの「最the高」も、記憶とか側頭葉がテーマになってて。
内山:前頭葉とか側頭葉みたいな、部位とその働きみたいみたいなことを知れるのは面白いけど……やっぱり変わってますよね(笑)。
椎名:でも遊び心があるから楽しいよね。
ーー9月に行われた『ロッカジャポニカ ワンマン特別学習 〜〇〇の脳の中〜』はメンバーそれぞれがプロデュースする公演でした。平瀬さんはどういった内容で構成したんですか?
平瀬:私はロジャポの曲や、以前に加入してた3B juniorの曲をセトリに織り交ぜた、ちょっとエモいと思ってもらえるようにしました。プロデュース公演の一発目が私だったんで、私達の今までの流れをオトモダチ(ロジャポファンの呼称)にもう一回知ってもらいたいなって。
ーープロデュース公演を形にしての手応えは?
平瀬:難しかったですね! 自分の意見を揺るがないようにしなくちゃダメなんだなとか、6連続公演の最初だからメンバーに負担をかけすぎないようにとか、内容に加えて色んなことを考えなくちゃいけなくて。でも、それをやったことでスタッフさんやメンバーの大変さがわかったし、感謝の気持ちが強くなりました。
高井:私は最初「ヤバい、何も思い浮かばない……」って(笑)。だけど「ドラムが演ってみたい!」ってイメージが浮かんで、私自身、ドラムを披露するのは初挑戦だったから、私のプロデュース公演は「挑戦」をテーマにしたんですよね。それでメンバーの登場時は、オリジナルのソロダンスを踊ってもらったり、オトモダチにも曲中のコールの音量を計って「このデシベルを超えて下さい」とか。
ーー色んなハードルを超える企画になったと。
高井:緊張もあったんですけど4人がすごく協力してくれて、私のドラムに合わせて歌って踊ってくれたり。そこに優しさを感じました。
ーーでは椎名さんの企画は?
椎名:まず「ゲームがしたい!」って思いついて。
内山:いつもしてるじゃん!(笑)。
椎名:でもライブの中ではゲームしたことがなかったから、ロジャポがステージ上でひたすらゲームをしてるのを見てもらう企画にしたんですよね。
内藤:NINTENDO64のゲームで、メンバーが椎名と戦う企画になって。
椎名:それがスゴく盛り上がったんですよ!
平瀬:マリオカートとか、スゴいデットヒートだったよね。
椎名:スマブラはCPUを最強の設定にしたら、メンバーが先に負けて、残り時間はCPU同士が戦ってるのをみんなで見ることになって(笑)。
高井:「……この時間、なに?」っていう(笑)。
ーーアイドルだから許される企画ですね。内藤さんは?
内藤:私はロジャポの中で、一番オトモダチに目線が近い、というかファンなので(笑)。
平瀬:ファンが紛れ込んでるからね(笑)。
内藤:よく他のアイドルさんとかでも「こういうセットリストでライブしてくれたら最高だな」っていう、神セトリを自分で考えてたりしたので(笑)、それをロジャポでやってみよう! って。だからコールできる曲を固めたり、アンコールパートを作って、自分が客席からアンコールしたり。
ーー自作自演だ(笑)。
内藤:曲の中で可愛い部分だけを抜き出して、繋げてもらった(メガミックス的な)バージョンを作ってもらって、それを歌ったり。
平瀬:「この曲の何分何秒から、この曲の何分何秒に繋いでください」とか、全部細かく指定してたよね。
内藤:「この曲はフェードアウトで繋いで」とか。それがスゴく評判が良かったのが嬉しかったですね。
内山:メンバーの衣装も内藤がコーディネートしてくれて。
椎名:内藤はオシャレだからね。
内藤:ステージドリンクもお水じゃなくてメンバーが好きなモノにしたり、客席もめっちゃいい匂いにしたり。だから、出るんじゃなくて客席で見たかったです(笑)。
ーー内山さんのプロデュースはどのような内容に?
内山:学校で映画とかを見たりすると、見終わった後に「あれ、ここ学校だったんだ……」って思う時ってない?
高井:あるある。その世界に入り込んじゃうとそうなるよね。
内山:そういう感情にお客さんになってもらえるような公演にしたかったんですよね。だから、ライブをひとつの映画みたいな構成にしたくて。それで、夢をテーマに、私の前の内藤の公演が終わって、みんなが楽屋で休憩しながらウトウトしてるところから始まる映画を作ったんですよね。
ーー映像も監督したと。
内山:最近、自分で動画を編集するのにハマってて、Instagramとかにもそれをアップしてるんですけど、その特技をもっと活かして、一本の映像作品を作ったんですよね。制作でも照明の指示とか、カメラのアングル決め、音効の設定とかもして。それでその映像の世界と、現実のステージが繋がってるけど、これは夢なのかな、現実なのかな、っていう世界観にして。
ーーなるほど。その「夢か現実か」という感触は、今回のニューシングル『MUGEN』にも繋がる部分がありますね。特に今回のMVは「想像増幅装置」によってメンバーのイマジネーションが具現化したり、混線したりと、アイドルのMVに相応しくない表現かもしれないですが、かなり「ドラッギー」というか、非常に奇抜な内容になっています。
内山:2016年1月の1stシングル曲「ワールドピース」のMVの2倍以上の尺があるんですよ。
高井:8分以上あるもんね。第二章だから2倍……っていうのは嘘なんですけど(笑)。
平瀬:じゃあ、第三章は3倍!?(笑)。
内山:「お楽しみに!」とか言って(笑)。
高井:今回は架空の物語の世界だから、その世界にあわせて演技するのも楽しかったですね。
内山:セットも豪華だったよね。
内藤:それぞれのメンバーの世界観や雰囲気を出すために、セットがメンバーごとに違って、最後にそれがくっつくなんて豪華やん!って。