電気グルーヴ、フジファブリック、バニラズ……2019年に周年迎えるグループの新作

空想委員会(メジャーデビュー5周年)『空想録(二〇一一-二〇一八)』

空想委員会(メジャーデビュー5周年)『空想録(二〇一一-二〇一八)』

 三浦隆一(Vo/Gt)の手による、体験、空想、妄想が入り混じった楽曲によって、幅広い年齢層のリスナーから支持されている空想委員会の、現体制の集大成といえるベスト盤。「純愛、故に性悪説」「私が雪を待つ理由」「ビジョン」といったシングル曲、メンバー推しの「マフラー少女」「春恋、覚醒」などを収めた本作では、繊細、純情、妬み、悪意、そして、ほんの少しの幸福といった感情を描き出す(主にちょっと情けない男子を主人公にした)ラブソングがたっぷり。オルタナティブロック、ニューウェイブ、ハードロックなどをセンス良く組み合わせたアレンジ、叙情性と解放感をあわせ持ったボーカルにもぜひ注目してほしい。

空想委員会 Best Album『空想録(二〇一一‐二〇一八)』Trailer Video (2019.1.23 In Stores)

魔法少女になり隊(結成5周年)『∀』

魔法少女になり隊『∀』

 “ラウドでポップなRPG系バンド”を標榜する魔法少女になり隊。2018年は13本のフェスに出演、バンドキッズ、アイドルファン、ボカロ系のユーザーまで幅広い層の支持を得ている4人から、ミニアルバムが届けられた。ラウドロック直系のバンドサウンドとポップに振り切ったメロディを軸にした「周回とセイレーン」から、〈退屈だった/世界に色がついたんだ/君に出会ってから〉というラインが胸を打つ「NEVER ENDING STORY」まで、これまで以上にエモーショナル度を高めた楽曲を収録。ルーツミュージックを前面に押し出したサウンド、“喪失感”をテーマにしたという歌詞を含め、結成から5年の間に築いてきた、このバンドのオリジナリティを端的に示すことに成功している。

魔法少女になり隊 MINI ALBUM [∀] ALL SONGS PREVIEW

※記事初出時、一部表記に誤りがございました。訂正の上お詫びいたします。

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「音楽シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる