山崎エリイは今まさに“夜明けのシンデレラ”だ 大人と子供の過渡期表現したライブを見て

山崎エリイは今まさに“夜明けのシンデレラ”だ 大人と子供の過渡期表現したライブを見て

 山崎エリイは、きっともうすぐ大人になってしまうーー

 昨年12月23日、東京・AiiA theaterで開催された『山崎エリイ SPECIAL LIVE~夜明けのシンデレラ~』夜公演を観て、そんな想いがふと過ぎった。同ライブは、昨年11月リリースの2ndアルバム『夜明けのシンデレラ』を携えてのもの。そのタイトルには、シンデレラの魔法が解けた後(=夜明け)でも、自身の力で幸せを掴んでいこうとする強い意志が込められているという。また、山崎が2017年に20歳の誕生日を迎えたこともあり、前作アルバム『全部、君のせいだ。』より歌詞の内容やサウンドの質感も大人びたものに。今回のライブは、現在の彼女とも重なるような“大人と子供の過渡期”を表現する一夜となった。

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 その開幕を飾ったのは「a little little thing」。主人公の少女が、日常にある小さな幸せを見つけていくというフューチャーベースのナンバーだ。あわせて紹介したいのが、1stシングル表題曲で『夜明けのシンデレラ』にも収録の「十代交響曲」。こちらは鬱屈とした少女の心持ちを描いた、疾走感あるロックナンバーに仕上がっている。一見するとそのイメージに乖離のある両楽曲。しかし、「a little little thing」は「十代交響曲」から数年後の世界を描いており、明るい性格の少女も以前と同一人物とのこと。この思わずニヤリとさせられる仕掛けは、クリエイターのhisakuni(SUPA LOVE)がどちらも作詞・作曲・編曲を務めたことの賜物といえる。

 また、山崎は「十代交響曲」リリース時より、この少女をどこかで救い出したいと気にかけていたとのこと。だからこそ、「a little little thing」を披露した今回のステージでは、どこか報われたような笑顔を覗かせていたのだろう。また、前述した楽曲同士の“繋がり”を、ファンも上手く察していたのだと思われる。「a little little thing」はライブ序盤でのパフォーマンスにも関わらず、いきなりの大盛況に。その盛り上がりを象徴したのが、Bメロで打ち鳴らされるハンドクラップ。このパートは、会場全体を巻き込んでのものとなった。

 前述したファンによる“受け入れムード”の背景には、やはり「十代交響曲」があるのだろう。それは「十代交響曲」終盤にも、同様に手拍子を奏でるパートが用意されているからだ。今回の「a little little thing」は、「十代交響曲」と地続きの物語であるからこそ、ファンも自然と曲中のハンドクラップを意識したに違いない。そんなサプライズに、山崎が笑顔満点のパフォーマンスで応える様子がひたすらに微笑ましいばかりだった。

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