>  > 2019年は国境越えるK-POPグループが活躍?

K-POP2018年振り返り座談会後編

IZ*ONE、NCT、公園少女…2019年は国境越えたグループがさらに活躍? K-POPライターが予想

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 BTS(防弾少年団)のアルバム『LOVE YOURSELF 轉 ‘Tear’』『LOVE YOURSELF 結 ’Answer’』がアメリカの「ビルボードチャート200」で1位を獲得するなど、K-POPが国境を越えて多くのリスナーに支持された2018年。リアルサウンドでは多くのK-POPに関するコラムを執筆している、まつもとたくお氏、桑畑優香氏、西門香央里氏、DJ泡沫氏のライター4名を招き、K-POPシーンの1年を振り返る座談会を行なった。後編となる今回は、BLACKPINKやPENTAGON、IZ*ONEなどの人気グループ、2018年のサウンドのトレンド、さらには2019年注目のグループなどについてじっくりと語り合ってもらった。(編集部)

BLACKPINKからIZ*ONEまで 2018年の人気K-POPグループ

ーーBTS以外に2018年目立っていたグループはありますか。

西門香央里(以下、西門):BLACKPINKですかね。

DJ泡沫:女子グループの中での人気はかなり高いだと思います。ただ、曲が少ないのがネックですね。アメリカのBTSのファンはBLACKPINKも好きな人が多くて、ボーイズグループじゃないから堂々と掛け持ちできるのも大きいかもしれません。BLACKPINKはタイ出身のリサがいることもあって、タイでもとても人気があります。

ーーサウンドとしてはどうなのでしょう。

まつもとたくお(以下、まつもと):BLACKPINKの曲はYGが今までずっと試行錯誤してきた成果が表れている。本場のサウンドに近づけても、結局本場の人に勝てないっていうのをどこかでわかったんでしょうね。

DJ泡沫:でも、作曲しているTEDDYはアメリカ人という(笑)。最近のK-POPの作曲者はスウェーデン人が多いと聞きました。

西門:スウェーデンに暮らす友人の話だと、スウェーデンの音源サイトのようなところから簡単に音源を買えて、そこから曲を作ることができるみたいです。だから下手すると同じ作曲家の曲を使うこともあったりして、同じメロディのものが生まれることもあるようです。

桑畑優香(以下、桑畑):K-POPの楽曲って、コンペで色々な国から曲を集めているとも聞きますよね。1曲に400件ぐらい、世界中から応募が来る。

DJ泡沫:SMはその年の最初に何千曲って買って、その中から歌詞をつけたりアレンジしたりして各グループに振り分けるみたいで、最初に書いたはずのグループとは別のグループが曲を歌うことになる、というのはよくあるそうです。

西門:最近はちょっと減って来たようですが、1曲に対して何人かの作曲家が参加するコライト形式もありますよね。

DJ泡沫:ソングキャンプで4人くらいが合同で作るパターンですね。

まつもと:Red Velvetの日本オリジナル曲は、コンペで作ったと思われるサウンドに日本語詞を乗せているんですが、なかなか良いですよ。以前だったら日本の有名な作詞家に頼んでいたものが変わってきている。

桑畑:ジャニーズもコンペ式ですよね。そういえば、SixTONESのMVもK-POP風だし、Hey! Say! JUMPの「BANGER NIGHT」の振り付けもソン・ソンドゥク(BTSの振付師)です。

ーー日韓で互いに影響を与えているのかもしれませんね。TWICEはじめ、K-POPグループに日本人メンバーが参加する例も増えています。

DJ泡沫:オーディション番組『YG宝石箱』には、練習生から選ばれたトレジャーA、B、Cというグループに加えて、全員日本人のトレジャーJが登場して。彼らはYGエンタテインメントジャパンが韓国デビューを目標に、日本で育ててきたメンバーたちなんです。これは初めてのパターンだと思います。

西門:ラップも韓国語もうまい。まさかあそこまでYGが力を入れていたとは思わなかったです。初めて、日本で韓国式のレッスンを受けたK-POPアイドルが出るかもしれない。

DJ泡沫:JYPも中国で練習生を育てていたり、2020年に全員日本人のグループを結成するという話も出ています。WINNERやiKONもデビューまで1年かかったので、『YG宝石箱』からのデビューが2019年に間に合うか分からないですが。

ーーK-POPにおける2018年のサウンドのトレンドはいかがでしたか。

西門:それぞれのグループが特徴のある曲をやって、それが流行ったような印象ですPENTAGONの「Shine」をはじめ、ダンスも曲も個性的なものが人気を得ていました。中でもMONSTA Xが2PMの“野獣アイドル”を引き継ぐような独自路線を行っていた気がします。

DJ泡沫:程よくセクシーですよね。2015年ぐらいからK-POPグループの低年齢化が始まってSEVENTEENやNCT DREAMなど、中性的なキュート路線が流行っていましたが、MONSTA Xは曲げずにストレートに男らしい、セクシーな路線を進んできました。リーダーのショヌの韓国のファンがゲーム『SimCity』で彼そっくりのアバターを作ったことも話題になり、海外メディアに取材されたり、アメリカでもイベント出演などもあって人気が出ているようですね。

西門:2018年になってあのスタイルがガッチリハマったように感じます。でも、サウンドの流行はあまり思いつかないですね。

DJ泡沫:曲としてはiKON「LOVE SCENARIO」がヒットし、その後にPENTAGON 「Shine」の逆走などがありましたが……。あとは(G)I-DLEのデビュー曲「LATATA」も話題でした。次の「한(一)(HANN / Alone)」もかなり売れましたし、今年デビュー組の女子ドルの中では音源で飛び抜けていましたね。

まつもと:僕は今年の流行はムーンバートンだと思います。今年の1曲を挙げるとしたら、ずっとチャート1位だった「Way Back Home」。典型的なムーンバートンの曲で、THE KOXXのキーボーディスト/DJのSHAUN(ショーン)のソロ曲です。一部からはその1位が不正だという声もありましたが。

DJ泡沫:今年初めにジャンドクチョルがずっとチャート1位で、Facebookや口コミで人気が出た、とすごく話題になってテレビ番組にも出ていたんですが、その後同じ事務所の新人・ニロもずっと1位だったんですよね。それで騒ぎになって、実は所属事務所がもともとマーケティングをやっていた会社で、“音源買い占め疑惑”が浮上したんです。そのあとにショーンが1位になったからそっちでも不正疑惑が出た。

まつもと:でもやっぱり、それなりの支持がないとあんなに伸びなかったと思います。BTSもムーンバートンの曲があったし、今年も主要な曲はムーンバートンばかりでした。韓国って、同じエリアに同じ専門店が集まるらしいんですが、音楽もそれと同じ傾向なのかも(笑)。

DJ泡沫:ムーンバートンって、私の中では、BTSの「血、汗、涙」、BLACKPINKの「PLAYING WITH FIRE」、NCT127の「Fire Truck」など2016年ごろにすごく流行っていた印象です。

まつもと:その余韻で、後続の新人がムーンバートンを取り入れているんだと思います。色々なグループがやると同じように聞こえるから、もっとセンス良くしないと、とだんだん洗練されていく。IZ*ONEの「La Vie en Rose」もそうですよね。

ーーIZ*ONEといえば、『PRODUCE 48』はチェックしていましたか?

まつもと:僕は見ていなかったですが、完成形を見てすごいじゃん! と驚きました。秋元康さんはどこまで見据えてあそこにAKBメンバーを入れたんですかね。K-POPグループにメンバーを混ぜて、デビューさせるというやり方はすごいと思います。『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)への出演も話題になりましたよね。

西門:コアなファンならともかく、AKBグループメンバーが日本で活動している時って、彼女たちの成長や苦労は一般の層にはあまり見えない。でも『PRODUCE 48』に出たことで彼女たちが頑張っている姿を見れたのはすごく大きかったですね。

まつもと:最近は『ラストアイドル』がありますが、日本ではあまり厳しいオーディション番組は流行らないじゃないですか。ところが『PRODUCE 48』は、日本人メンバーがキツイことを言われていても外国の番組だから、と思って見るんですよね。

DJ泡沫:歌やダンスが上手い、技能的な実力がある子だけが有利だったり選ばれるとは限らなくて。I.O.IやWanna Oneの時はある程度韓国の事務所でトレーニングされた子たちだったから分かりづらかったですが、『PRODUCE 48』を通じて歌やダンス以外の面で魅力があるメンバーも支持されると分かりましたね。トレーナーの先生たちも、決して上手くなくても諦めないで笑顔でやっているのがすごい、韓国にはあまりいない、と言っていて。韓国のファンも完全実力主義ではなくて、他の要素もあって好きになって応援するんだということに自覚的になった番組なんだろうと思います。

桑畑:韓国で注目を浴びていたのは山田野絵さん。韓国人の友達が「愛嬌がある」と応援していました。

DJ泡沫:たしかに彼女みたいなキャラクターのアイドルって韓国にはなかなかいないですよね。愛嬌が良くて、ハスキーボイスで。

西門:私が面白かったのはAKB48の子達が練習やリハーサルの時は上手くいかなかったのに、本番でガラっと変わるというところ。メイクも相まって、“K-POPマジック”というか。

まつもと:韓国のアイドルはパーフェクトを求めるのに対して、日本のアイドルは愛嬌があって、どこかゆるいのが魅力。秋元康さんはそれを分かって彼女たちを『PRODUCE 48』に参加させていると思うんですよね。そのズレを韓国のファンと日本のファンが議論して盛り上がって、最終的にプラスに跳ね返ってくるところまで読んでいたのかが気になります。

      

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