さくらしめじ、ハッピーなムード届けたクリスマスライブ 初の中野サンプラザ公演を振り返る
ポップチューン「あやまリズム」を楽しく駆け抜けた後のMCでは2人からのクリスマスプレゼントとして、来年1月からJFN PARKでレギュラーラジオがスタートすることが発表され、さらにこの日が初披露となる新曲も届けられた。「生活の中、生きていく中で本音はなかなか言い出せないもの。でも勇気を持って、一歩を踏み出して伝えてみよう……そんな曲です」という雅功の言葉を受けてプレイされた「先に言うね」は、せつなさを秘めた疾走系のナンバー。スクリーンに映し出された歌詞をじっくりと噛みしめながらも、サウンドに身をゆだねて楽し気に揺れる客席。その上空からはスノーマシンで雪が舞い始め、感動的な光景が広がっていく。一足早いホワイトクリスマスを演出し、まっさらな新曲を届けてくれるなんて、さくらしめじは心憎いことをさらりとやってのけるのだ。その後、ステージ上には『サンタと魔法のものがたり』」に登場するサンタが届けてくれた巨大なクリスマスツリーが現れ、「えそらごと」へ。曲中に放たれた金テープが客席でキラキラと輝く中、本編はエンディングを迎えた。
きのこりあんによる合唱に導かれる形で始まったアンコール。客席からの愛を受け取り、それに応えるように2人のギターだけで「おもいでくれよん」を歌い始めた。が、途中で彪我が歌詞を飛ばしてしまうアクシデントが発生し、まさかのテイク2へ。「申し訳なーい!」と謝る彪我を笑顔で受け入れる、きのこりあんとのあたたかい絆が見えた瞬間だった。その後、2019年2月から始まる2マンライブと、5月3日に2度目の日比谷野外大音楽堂でのワンマンが決定したことが発表されると会場には割れんばかりの大歓声が巻き起こった。野音に関してはメンバー2人も事前に聞いていなかったようで、彪我は「うれしいぞ、こんにゃろー! 楽しみだー!」と素の表情で驚きと喜びを表現していた。そしてラストナンバーとなる「みちくさこうしんきょく」を全身全霊で届け、無数の笑顔で埋め尽くされた初の中野サンプラザ公演は幕を閉じた。
「今日味わった嬉しさ、楽しさをしょって? せおって?……背中にのっけて(笑)、この先も頑張っていきたいと思っています!」(彪我)
「もっとたくさんの人と楽しいを共有できるように2人はずっと走り続けますので、期待していただければと。これからもよろしくお願いします!」(雅功)
ステージを去る前に、しっかりと未来に向けた決意を言葉にした2人。大躍進を遂げた2018年を経て、2019年の彼らはさらなるステップアップを見せてくれるはずだ。この日のライブから受け取った、そんな確信にも似た予感こそが彼らからきのこりあんに向けて贈られた最高のクリスマスプレゼントだったのだと思う。
(取材・文=もりひでゆき/写真=埼玉 泰史 / 大庭 元)