ChouChoと佐咲紗花が『Still a long way to go』に込めた『ガールズ&パンツァー』への想い

ChouChoと佐咲紗花が語る『ガルパン』への想い

 アニソンシンガーとして、アニメ『ガールズ&パンツァー』の楽曲を数多く歌ってきたChouChoと佐咲紗花が再タッグを組んで、シングル『Still a long way to go』をリリース。同作には、映像作品『ガールズ&パンツァー TV&OVA 5.1ch Blu-ray Disc BOX』テーマソングで、二人がデュエットで歌う壮大なスケールの「Still a long way to go」の他、ハウスサウンドのような浮遊感と広がりを持ったChouChoのソロ曲「フロンティア」と、心地よいリズムと温かいバンドサウンドを奏でる佐咲紗花のソロ曲「春色スカイ」を収録。全曲アニメ『ガールズ&パンツァー』をテーマに制作され、同作のファンならば、胸を熱くした名シーンの数々がよみがえるだろう。(榑林史章)

■『ガルパン』ファンみんなで歌えるアンセムソング

ーーお二人のコラボは、2016年にリリースされたアニメ『ガールズ&パンツァー』(以下、ガルパン)のボーカルミニアルバム『音楽道、はじめました!』に収録の「希望の絆」以来とのこと。アニメ『ガルパン』のTVシリーズ以降、長く作品に携わっているお二人ですが、『ガルパン』は、それぞれにとってどんな作品ですか?

ChouCho:これだけの長い間、熱の冷めない作品は稀だと思います。その作品に、OPテーマ「DreamRiser」を始め、多くの楽曲で携わらせていただけているのは、本当にありがたいことです。スタッフさんの熱意も高くて、そのチームの中に居させていただけていることに喜びを感じます。

佐咲紗花:応援してくださっているみなさんはもちろん、スタッフさん、キャストのみなさんともファミリーみたいなお付き合いをさせていただけていて、「ただいま」「おかえり」と言える場所です。私は、挿入歌の「あんこう音頭」を歌わせていただいたご縁で、作品の舞台になっている茨城でラジオのレギュラー番組を持たせていただくようになり、それも4年半続いています。私の日常の中に、『ガルパン』と茨城、大洗は、深く紐付いていて、てふ(ChouChoの愛称)とは以前から仲が良かったけど、『ガルパン』を通じて一緒に乗り越えてきたことも多いので、二人の絆もより深まりました。

ChouCho:もはや大洗町は、第二の故郷みたいな感じですね。“あんこう祭り”にゲストで呼んでいただくとき以外でも、二人のプライベート旅行で、大洗にも遊びに行きました。

ーー作品が始まった当初は、これほど長い間続く作品になると?

ChouCho:TVシリーズの第1話を試写会で観たときに、「これはすごい作品だ」とすぐ気づきましたけど、OPテーマをレコーディングしているときは、まだどんな作品になるかはっきり分かっていなくて。まさか、こんなに大きな作品に成長するとは思っていなかったですね。

ーー何が魅力で、こうなったと思いますか?

ChouCho:映画館で試写を観たのですが、冒頭のシーンから音と映像のクオリティがすごく高くて、それが細部にまで行き届いていたのが印象的で、そのときに「この作品はただ者じゃないぞ」と実感しました。しかも1話の最後で、映像がどんどん引いていったら、街全体が“学園艦”という船の上だったということが分かったときは、鳥肌が立ちました。

佐咲紗花:あれは、本当に鳥肌ものだったね。あとで知れば知るほど驚くことばかりで、お店はもちろん、看板や道、それぞれの地理的なものが、すべて再現されていて「これ、本当にある場所やん!」って(笑)。作品を好きになればなるほど、その街が好きになるんです。だから何度も観返したくなるし、ストーリーを表面的になぞるだけじゃなく、細かいところまで確認したくなります。こんなに何回も観たくなる作品はなかなかないです。

ChouCho:それだけ、アニメ制作サイドのこだわりがすごいんです。

ChouCho

ーー当時レコーディングしたときは、どの程度まで聞いていたんですか?

佐咲紗花:てふの「DreamRiser」はOPテーマだったから、最初から細かく聞いていたんじゃない?

ChouCho:そんなにちゃんとではなくて、「女子高生と戦車のアニメです」くらいの感じだったと思う。だから試写で観たときに「こうなるのか!」とすごく驚いたし。

佐咲紗花:私が「あんこう音頭」をレコーディングしたときも、女子高生が戦車に乗ります、それくらいしか情報がない感じで。それで私は、〈アアアン アン アアアン アン〉と歌ったわけです(笑)。それに第4話の挿入歌と決定していたわけでもなくて、だいたいそのあたりで流れるということだったので、毎週「いつ流れるのか」とドキドキして観ていたんです。

ーー佐咲さんは、「あんこう音頭」の印象で、演歌歌手と思われたそうですね。

佐咲紗花:今も思われています(笑)。てふはアニソンシンガーの人、私は挿入歌を歌った演歌か民謡歌手の人、と。だから、あんこう祭りなどで『最終章』前半の主題歌「Grand Symphony」を歌うと、「アニソン歌手の方だったんだ〜!」って、改めて驚かれます。でもやっぱり思うのは、『ガルパン』のファンのみなさんは、“音”を好いて大事にしてくれているということです。だからこそ、挿入歌やイメージソングの数がすごく多いし、ハイレゾスマホとコラボした商品や、『最終章』仕様のコラボヘッドフォンも出ている。こうしてまた、新たにてふと曲を作らせていただけたのも、ファンのみなさんのおかげです!!

ーーお二人がデュエットしている表題曲「Still a long way to go」は、『ガールズ&パンツァー TV&OVA 5.1ch Blu-ray Disc BOX』のテーマソングで、ChouChoさんが作曲を担当しています。ワールドカップかオリンピックでも始まりそうな、スケールの大きな曲になりましたが、どんなイメージを持って作られましたか?

ChouCho:今回のシングルを出すと決まったときに、これまで歌ってきた『ガルパン』ナンバーの、どれとも違う雰囲気の楽曲を作りたいねと話したんです。それで、みんなで歌えるアンセムソングにしよう、と。今までそういう曲は、なかったので。

佐咲紗花:それに最初からてふが、作曲をすると決まっていたわけではないんです。てふが、自分から手を挙げたんだよね。

ChouCho:そうそう。最初はコンペで決める予定だったんですけど、最近は私も作曲をやっているのでチャレンジしてみたいと思って。それで作って提出したら、「コンペをやる必要はない。この曲でいきましょう」と、決めていただきました。

佐咲紗花:デモのままリリースしてもいいんじゃないかと思ったくらい、すごく完成度が高くて。「こんなにすてきな曲を生んでくれてありがとう!」って思いました!

佐咲紗花

ChouCho:ありがとう(笑)。デュエット曲を作るのは初めての経験だから、やってみるまでは未知だったんですけど……。でも、さやっぺ(佐咲紗花の愛称)の歌声はよく知っているし、私たちは得意な音域が違っていて、さやっぺは高音域で私は中音域なので、普段自分が歌う用に作る曲では使えない、高音域まで使えるのがすごく楽しくかったです! なおかつ、どちらの声も生きるメロディにしたかったから、サビでは実際にはハモっていますけど、どっちが主メロでどっちがハモリという考えを捨てて、2本の声が同時に鳴って1本になっているイメージで作りました。実際に歌ったら想定していた以上に二人の声が溶け合っていて、これは自分でも驚きました。

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