もっとも出演回数の多いアーティストは? 平成の『NHK紅白歌合戦』をデータで振り返る
2018年も残すところあと17日。『ミュージックステーション スーパーライブ』(テレビ朝日系)や『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)をはじめとした音楽特番や、今年のマイベストアルバム選びに忙しいこの時期だが、忘れてはならないのが12月最大規模の音楽番組、『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)の存在である。
しかも今年は、“平成最後”の紅白とあって、事前の盛り上がりも例年以上だ。あいみょん、DAOKO、King & Princeら若手の初出演に加えて、ヒットソング「U.S.A.」を携えて16年ぶりに出場を果たすDA PUMP、椎名林檎と宮本浩次の特別企画など、日々話題は尽きることなく、まさに平成にふさわしい年の暮れと言えそうだ。
今回は、そんな平成最後の『紅白歌合戦』をより楽しむため、ランキングで「平成30年間の紅白歌合戦」を振り返ってみたいと思う。
さすが約70年の歴史を誇る伝説的番組というべきか、『紅白』に関するランキングやデータというのは想像以上に充実しており、「NHK紅白歌合戦の主要記録一覧」という紅白にまつわる数字だけを集めたWikipediaページすら存在する。
戦後日本の音楽好き達が調べ続けきたこのテーマに、いまさら私が付け加えるものがあるのだろうかとも思ったが、“平成”だけに絞ったランキングはなかなかないようなので、今回は第40回(平成元年・1989年)から第69回(平成30年・2018年)までの“平成30年間”を対象としてランキングを掲出していきたい。
では、まずは紅組で「平成の紅白に最も出場したアーティスト」を見てみよう。“平成30年間”で調査すると、どうしても若手がランクインしにくいため、2018年時点でグループの平均年齢が50歳未満となるアーティストを「若手の部」、50歳以上を「ベテランの部」として、別でランキングを作ってみた。その結果が以下である。
「ベテランの部」1位は「天城越え」「津軽海峡・冬景色」でおなじみの石川さゆり。なんと平成30年間にわたって一度も途絶えることなく連続出場を果たしており、「平成の紅白に石川さゆりがいなかったことはない」という完全無双状態である。なお、2007年以降は「天城越え」と「津軽海峡・冬景色」が交互に歌唱曲になっており、法則にしたがえば今年は「天城越え」となるのだが、果たして平成30年の最後を何で締めてくれるのか、歌唱曲発表が楽しみだ。
このそうそうたるメンバーを「若手」と呼んでいいのかは別として、「若手の部」1位は演歌歌手の水森かおり。また、2位にランクインしたのはポップスターの浜崎あゆみで、ジャンルとしてはまったくタイプの異なるアーティストだが、いずれも“平成の歌姫”と呼ぶにふさわしい、時代を代表するアーティストと言えるだろう。
また、こちらのランキングに、平均年齢最年少で食い込んだのが4位のPerfume。17歳という早すぎるメジャーデビューから今に至るまで、衰えることなく快進撃を続ける彼女たちに、ぜひ新元号でもさらなる活躍を期待したい。
では、次に白組の結果を見てみよう。まずは「ベテランの部」がこちらである。
1位は「千曲川」などで知られる五木ひろし。石川さゆりと同じく、平成に行われた『紅白歌合戦』すべてに出場している伝説的歌手である。また、『紅白』名物の豪華な衣装でおなじみの小林幸子と美川憲一もそれぞれの組でランクインを果たしており、いかにも「平成」を感じさせるランキングとなっている。
また、白組の平均年齢50歳以下の「若手の部」ランキングが以下である。
白組の若手からは、1位にTOKIO、2位にSMAPと、ともにジャニーズ史を語る上でも欠かせない大御所グループがランクイン。出場回数で見てもベテラン達にひけを取らない、正真正銘“紅白の常連”である。平成という一時代を飾ったグループだと言えるだろう。