AKB48×乃木坂46×欅坂46×IZ*ONEがコラボする意義 海外進出の追い風吹く“国境のない時代”へ

 今回新たに加わるIZ*ONEは、グローバルアイドル育成プロジェクト「PRODUCE48」発のユニットで、今年8月に誕生した日韓合同アイドル。AKB48グループからは宮脇咲良、矢吹奈子、本田仁美が在籍、専任しており、来年2月には日本デビューが決まっている。10月に韓国でリリースされたデビューアルバム『COLOR*IZ』は世界10カ国で配信チャート1位を獲得しており、日本でもK-POPファンを巻き込む新たな渦が発生している。

 坂道AKBのテレビ出演時と比べて大きく違うのは、日本のみならず、アジア圏にもより注目されるパフォーマンスとなることだ。昨日、AKB48グループは日本と海外の姉妹グループ7組が出演する合同ライブイベント『AKB48 Group Asia Festival 2019 in Bangkok』の開催を発表。乃木坂46は12月1日に中国・上海で初の海外単独公演を成功させ、来年1月には台北で単独公演を控えるなど、アジア進出が活発化している。IZ*ONEを含めてのスペシャルユニットには、AKB48グループ、坂道シリーズの海外進出に追い風を吹かせる狙いも少なからずあるはずだ。披露するのは、秋元康の書き下ろし楽曲。坂道AKB「国境のない時代」は、〈僕たちは同じ時代を生きてるんだ/国境なんて意味を持たない〉と各グループのメンバーが集結したユニットが歌うことに意味のある歌詞が印象的だった。

 AKB48、乃木坂46、欅坂46、IZ*ONEにそれぞれ共通しているのは、各グループが新たなスタートを切ろうとしていること。AKB48グループは先日の結成13周年記念公演にて、横山由依が次期総監督に向井地美音を指名。宮脇がセンターを務める「NO WAY MAN」ではSTU48の今村美月、AKB48 チーム8の横山結衣が音楽番組で代役センターを務めた。今年5月に劇場デビューしたばかりの矢作萌夏がソロコンサートに抜擢されたのも、次の時代を担うメンバーをフックアップすることで、グループ全体を活性化させている印象だ。

 乃木坂46は西野七瀬、若月佑美といった主要メンバーが卒業を発表し、4期生のお見立て会を終えたばかり。欅坂46も今泉佑唯、志田愛佳、米谷奈々未の3名がグループからの卒業を発表し、お見立て会で2期生を追加メンバーに迎えている。『PRODUCE 48』でのオーディションを終え、日本デビューを控えるIZ*ONEは、これからが本当のスタートだ。いがみ合うのではなく、アイドルシーンをより一層盛り上げる同じ仲間であることを示すような、そんなパフォーマンスが期待される。度重なるレッスンで高いパフォーマンス力を有するIZ*ONEメンバーが、どのような立ち居振る舞いをするかも見ものだ。

 アイドルファン以外にも様々な層が視聴する『FNS歌謡祭』での今回のパフォーマンスは、それぞれのグループにとってとても意義深いものであると同時に、新たな推進力を生み出すコラボになることだろう。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる