SHINee キー、ソロデビュー作『FACE』に感じるファンキーなフレイバー 歌詞とサウンドを分析

 と、サウンドよりもメッセージやアティチュードに注目したレビューになりつつあるものの、サウンドが単調だ、というわけでは決してないことも言い添えておこう。たとえば「Good Good」でキーが披露している粘りのあるグルーヴィーなフロウやファルセットなど、ボーカリストとしての個性が発揮されているのも聴き逃がせない。エレクトロハウスのサウンドのなかに小気味よいカッティングギターやヴォコーダーのリフレインが取り入れられた「Imagine」や、モータウンサウンドを思わせる、シンプルながらソウルフルで味わい深いギターリフが印象的なスローな4つ打ち「미워 (The Duty of Love)」など、どこか人懐こくファンキーなアレンジも特徴のひとつ。クールでアーバンなR&B路線とも一線を画する、腰の入ったグルーヴに貫かれたファンクの感覚が、このアルバムのユニークさと言えるだろう。

 新たなグループも絶え間なく登場し、続々とソロデビューを飾っていくアイドルたち。この記事を執筆しているタイミングにも、SHINeeのオンユがミニアルバムをリリースし、本格的にソロデビューするほか、キーも日本のミュージシャンとの共演を多数含んだミニアルバムで日本デビューを果たすことが発表された。日夜めまぐるしく活躍を続ける彼・彼女らの足跡を逐一追っていくのはなかなか難しいかもしれないが、1つの作品にこめられたメッセージや個性のプレゼンテーションをじっくり辿っていくことで見えてくる世界もまた、味わい深い。

■imdkm
ブロガー。1989年生まれ。山形の片隅で音楽について調べたり考えたりするのを趣味とする。
ブログ「ただの風邪。」

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