HISASHIが語る、25周年控えたバンドの現在「僕らは今もすごくGLAYを楽しんでいる」

HISASHIが語る“GLAYの現在地”

やればやるほど終わりが見つからなくなっている

――あと、今回のシングルに寄せてTAKUROさんが「メンバーを、もっと広い空の下に連れて行きたいと思いました」とコメントしていて……今回のアー写やMVは、全部アメリカで撮影したんですよね。

HISASHI:そうなんですよ。実は僕ら、海外撮影というのが、結構久しぶりだったんですよね。コンサートでは、台湾に行ったりとかしてたけど、みんなでアメリカなんて、めっちゃ久しぶりで。ライブで行くことはあったけど、今回は撮影だけだったので、ホント「何年ぶり?」みたいな感じだったんです。なので、行くときから、やっぱり気持ちが違いましたよね。

――実際行ってみて、どうでした?

HISASHI:何か旅行みたいでしたよ(笑)。「愁いのPrisoner」のMVを撮ったところは、普段絶対行かないようなところというか、ロスから7、8時間掛けて車で移動したところにある、ネバダ州のトノパーっていう場所なんですけど、人口300人ぐらいの小さな町なんですよね。だから、町の人たちが、警察の人とかも含めて、みんなでいろいろ手伝ってくれたりとか……で、夜、みんなで一緒にお酒を飲んだりとかして、現地の人の温かさとかに触れて、ホントなかなかない体験というか、海外に行く意味っていうのは、こういうことなんだなって、改めて思いましたね。もちろん、撮影に関しても、やっぱりフォトショップではできないような光の感じが、向こうにはあって……。

――「これぞアメリカ!」という、広大な景色をバックに演奏していて……さっきのアリーナツアーの話じゃないですけど、そういう広大な環境に身を置くによって、どこか気持ちが開いていくところもあったんじゃないですか?

HISASHI:それまではホント、ずっとスタジオにこもりっぱなしの日々だったので、メンバーのテンションというか、気分的にもすごく良い機会になりましたよね。なので、これはまたちょっと、次のアルバムとかに影響していくんじゃないかっていう感じがあって。この撮影の“抜け感”みたいなものが、これからの楽曲にも反映されていくんじゃないかっていう。

――そう、来年はデビュー25周年ということで、またいろいろ忙しくなりそうですね。

HISASHI:そうですね。すでに計画はいろいろと立てていて……そのあたりはまだちょっと話せないんですけど、それとは別に今、アンソロジーもの(過去作のリミックス/リマスタリング音源に加えて、デモ音源、ドキュメンタリー映像などを収めた作品)を結構出しているんですよ。少し前にも『BELOVED』や『pure soul』を出したりしていて……で、11月下旬から始まるGLAY MOBILE限定Zeppツアーのタイトルが、『平成最後のGLAYとChristmas 2018~SURVIVAL~』で、“サバイバル”って名前がついていたりとか、ちょっと平成を振り返ろうみたいなところがあって。まあ、最近みんな振り返りがちだとは思うんですけど(笑)。

――もう来年5月には、元号が変わるわけですからね。

HISASHI:そう。だから、そういう意味でも、この平成という時代のなかで、99年に自分たちがやった『GLAY EXPO』という20万人ライブが、すごく大きく見えてきたりとかして。で、だったら、その謎を紐解いてみようよみたいな感じで、その20万人ライブでやった楽曲たちを、ちょっと振り返ったりするような、そういうツアーにしたいと思っているんですよね。

――GLAYの歴史を振り返るというよりも、平成という時代もひっくるめて、改めていろいろ考えてみようと。

HISASHI:僕はあんまり過去を振り返るのとかって好きじゃなかったというか、今もしくはその先のことに、いちばん興味がある感じだったんですけど、まあいつまでも、それではいかんなと、ちょっと思って(笑)。だから、当時のことを振り返って、なぜあのときは、こんなコンサートができたんだろうとか、あのアルバムの魅力って何だったんだろうとか、そういうことを最近ちょっと考えたりしているんです。

――過去を懐かしむのではなく、温故知新じゃないですけど、過去を紐解くことによって、この先のGLAYに繋げていくような。

HISASHI:そうですね。昔取った杵柄でもないし、ここらでちょっと自分らがやってきたことを、紐解いておいたほうがいいんじゃないかっていう。で、また、それを今の時代に直すと、また違ったものになったりするじゃないですか。あの頃やりたかったことが、今は技術的にもできるようになっていたり、当時やりたかったことが可能になっていることもいっぱいあるので。そういうことも含めて、昔の曲をやるっていうのは、なかなか感慨深いものがあるんですよね。

――なるほど。それを踏まえながら25周年のアニバーサリーを迎えようと。しかし、25年っていうのは、なかなかの年月ですよね。

HISASHI:それは、このシングルを聴いていただければきっとわかってもらえるように、僕らが今もすごく音楽を楽しんでいるということの一つの結果でもあると思います。音楽というかバンドというか、このGLAYっていうものを。何かやればやるほど、終わりが見つからなくなっているようなところもあって(笑)。今の時代に順応することも楽しいし、こないだの函館のコンサートだったりとか、いろいろ約束していたことを実現させていったら、あっと言う間に2、3年とか経っていたりすると思うんです。だから、最初の話じゃないですけど、今はホント、点と点が線になって繋がっているような感じなんですよね。

――25年のあいだ第一線を走り続けているということは、単なる人気バンドというだけではなく、リスナーひとりひとりの日々や人生を重ねられるバンドでもあるわけで……それについては、いかがですか?

HISASHI:そうですね。僕ら自身も、10代、20代の頃みたいに、ただ「ロックンロール!」って言っているような感じでもないですし、リスナーのみんなも、お母さんやお父さんになって、コンサートに子どもを連れてきたりとかして……親子でコンサートに来てくれるなんて、ホントに素敵なことですよね。で、かと思えば、GLAYの楽曲を聴いて更生したというか、それまではどうしようもない不良だったのに、GLAYを聴くようになってから、ちゃんとするようになったって、その子のお母さんに感謝されるとか……それは、SIDっていうバンドでベースをやってる明希ってやつの話なんですけど。明希のお母さんに感謝されるという(笑)。

――(笑)。

HISASHI:でもホント、どんな小さなことでもいいから、何かのきっかけみたいなものになったら、僕らは嬉しいし……僕も実際、そうだったんですよね。あのコンサートがあるから、高校生活頑張れるみたいな。音楽って、何かそういう不思議な力が、まだまだあると思うんですよね。

――とはいえ、ベテランとして何か偉い感じになっていくというわけでもなく……今のGLAYは、メンバーそれぞれが、割と自由に好きなことをやっている印象があります。

HISASHI:そうですね(笑)。でも、結構僕らのまわりの人たちって、たとえ偉くなったとしても、どこか子どもみたいな人が多いと言うか、みんな自由な発想になってきている感じがしますよね。それこそ、最近ずっと一緒にやっている亀田誠治さんとかも、あんなにすごい人なのに、ものすごく明るい雰囲気で、いつもスタジオで楽しそうにしていて……そう、今、GLAYのスタジオは、キッズがガレージで音楽を作っているような感じなんですよね。大の大人がそろって、子どものように楽しんで音楽を作っているという(笑)。

――いい感じですね! ちなみに、HISASHIさんの個人活動のほうは、最近どんな感じなのですか?

HISASHI:ええと……最近ちょっとACE OF SPADESを、ちょっと動かしていて。まあ、今年のLUNATIC FES.に誘っていただいたっていうのが、かなり大きなきっかけにはなったんですけど、あの4人でしか出せないような音もやっぱりあるから、そっちのほうも久々にやってみようかなって思っていて。で、GLAYのほうも来年に向けて、いろいろと準備をしている最中なので……今はもう、さすがにそれで手一杯って感じですね(笑)。

(取材・文=麦倉正樹)

GLAY『愁いのPrisoner/YOUR SONG』

■リリース情報
56th SINGLE『愁いのPrisoner/YOUR SONG』
11月14日(水)発売
【CD+DVD盤】¥2,000+税
【CD Only盤】¥1,200+税

<DISC1(CD)>
1. 愁いのPrisoner
2. YOUR SONG スペシャルオリンピックス日本公式応援ソング
3. 彼女の“Modern…” feat.EXILE NESMITH (from LUNATIC FEST. 2018)
4. 誘惑 feat.SUGIZO (from LUNATIC FEST. 2018)
5. FATE (from LUNATIC FEST. 2018)
6. 君が見つめた海 (from GLAY x HOKKAIDO 150 GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT Vol.3)
7. YOUR SONG (from GLAY x HOKKAIDO 150 GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT Vol.3)

<DISC2(DVD)>
1. 愁いのPrisoner (Music Video)
2. YOUR SONG (Music Video)
3. GLAY MAKING MOVIE of MUSIC VIDEO in LOS ANGELES
4. サバイバル (from LUNATIC FEST. 2018)
5. BELOVED feat.EXILE TAKAHIRO (from LUNATIC FEST. 2018)
6. SHUTTER SPEEDSのテーマ feat.明希 (from LUNATIC FEST.2018)

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セブンネット 
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HMV&BOOKS online

■ライブ情報
GLAY MOBILE Presents 10th Anniv. Tour「平成最後のGLAYとChristmas 2018 〜SURVIVAL〜」
2018年
11月27日(火)東京・Zepp DiverCity 開場18:00/開演19:00
11月28日(水)東京・Zepp DiverCity 開場17:30/開演18:30
12月3日(月)大阪・Zepp Osaka Bayside 開場18:00/開演19:00
12月4日(火)大阪・Zepp Osaka Bayside 開場17:30/開演18:30
12月6日(木)愛知・Zepp Nagoya 開場18:00/開演19:00
12月7日(金)愛知・Zepp Nagoya 開場17:30/開演18:30
12月13日(木)福岡・Zepp Fukuoka 開場18:00/開演19:00
12月14日(金)福岡・Zepp Fukuoka 開場17:30/開演18:30
12月18日(火)東京・Zepp DiverCity 開場18:00/開演19:00
12月19日(水)東京・Zepp DiverCity 開場17:30/開演18:30
12月22日(土)北海道・Zepp Sapporo 開場17:00/開演18:00
12月23日(日)北海道・Zepp Sapporo 開場16:00/開演17:00

GLAY オフィシャルサイト

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