『東京喰種』を彩る高橋國光の音楽 the cabs解散からösterreich発足までを振り返る

 曲名の「楽園の君」は、the cabsの『再生の風景』リリースツアータイトルに由来している点もニクい。“高橋っぽさ”が強烈に押し寄せてくるイントロのギターリフを聞いた瞬間、涙が出そうになってしまったのは、きっと筆者だけではないだろう。そして、石田が「元々、『the cabs』というバンドが好きだった。とくに『二月の兵隊』という曲が好きで、無印7巻あたりは、ずっとこの曲だけを聴いて描いていた」(参考:osterreich「東京喰種:re」新ED曲にシネマ飯田ら参加、the cabs好き石田スイがコメント)と言うだけあって、österreichが紡ぎ出す音楽は、あまりにも自然に『東京喰種』の世界観に融け混んでいる。

 いよいよ完結へと向かうアニメ『東京喰種:re』では、この後切ない展開も数多く待ち受けているが、毎話EDで「楽園の君」を聞く度に、きっとどうしようもなく胸がギュッとなってしまうんだろうなと思う。

■まにょ
ライター(元ミュージシャン)。1989年、東京生まれ。早大文学部美術史コース卒。インストガールズバンド「虚弱。」でドラムを担当し、2012年には1stアルバムで全国デビュー。現在はカルチャー系ライターとして、各所で執筆中。好物はガンアクションアニメ。Twitter

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