NMB48、幕張での8周年ライブに見た“グループの軌跡”とその継承

NMB48、8周年ライブ幕張公演レポ

 NMB48が10月2日、千葉・幕張メッセイベントホールで開催した結成8周年記念ライブ『NMB48 8th Anniversary LIVE』は、関東圏のファンにとってはレアな“濃いNMB48”を体感できたイベントだったように思う。

 というのも、大阪を拠点に活動するNMB48が関東圏で周年ライブを実施したのは初めてのことだからだ。ライブはアリーナ後方から山本彩を先頭に、メンバーがなだれ込んでくる「NMB48」でスタート。「オーマイガー!」「北川謙二」「僕らのユリイカ」「らしくない」と勢いのあるシングル曲で一気に場の空気を温めた。

 直後、映像パートとなり「2028年のNMB48劇場」をテーマにした映像コントが上映される。白間美瑠は弁護士、吉田朱里は化粧品会社社長、山本彩は見た目の派手なロックミュージシャン、川上礼奈は33歳の現役アイドルとしてそれぞれ活躍している、という設定らしい。彼女たちが18年前を思い出す、という流れから、モニターには2010年10月9日、AKB48のライブで1期研究生26人がお披露目された際の映像が映し出され、ステージには今や4人となった現役1期生(山本彩、川上礼奈、白間美瑠、吉田朱里)が登場。山本は当時の初々しいポーズと言葉をそのまま真似し、各自が「吉田朱里22歳です」「白間美瑠20歳です」「山本彩25歳です」「川上礼奈23歳です」と年齢とともに自己紹介。山本が「以上、第1期生、残り4名です。よろしくお願いします」と言い放ち、笑いと歓声が起こった。

 ここから、グループの歴史を振り返りつつも、それを更新するセットリストへ。まずはチームN 1st Stage『誰かのために』で披露された「小池」。オリジナルメンバーでは山田菜々が担当していた台詞パートを、妹の山田寿々が引き継いでいたことに感慨深くなる。続けて塩月希依音、大田莉央奈をWセンターに研究生27名が披露した「なんでやねんアイドル」、今春卒業した矢倉楓子のセンター曲「冬将軍のリグレット」は梅山恋和に継承される形で披露され、吉田・村瀬紗英・上西怜による「ジッパー」、次世代エース・山本彩加をセンターにした「ピーク」をパフォーマンス。この間もずっと、過去の映像がメインモニターに流れ続けていることに、当時からのファンは感動を覚えただろう。

 そして圧巻だったのは「ここにだって天使はいる」。NMB48にとって初のオリジナル公演だったチームN 3rd Stage『ここにだって天使はいる』の楽曲を、山本彩と同演目のリバイバル公演を成し遂げたカトレア組がともに披露。そこから太田夢莉をセンターに据え、キレのあるパフォーマンスが目を引いた「カモネギックス」、白間が「わるるん」として披露した「わるきー」を終え、MCののち再び映像コントへ。谷川愛梨は5児の母、渋谷凪咲は売れっ子バラエティータレントになっているという追加設定も加えられ、“雑なフリ(渋谷)”から名曲「想像の詩人」が、当時の研究生(明石奈津子、石田優美、鵜野みずき、大段舞依、城恵理子、西澤瑠莉奈、森田彩花、山尾梨奈)で歌い上げられるかと思えば、そこに現研究生も加わり、時空を超えた“研究生楽曲”として歌唱されたのもハイライトのひとつだ。

 中盤は「匙を投げるな」(チームBII)「四字熟語ガールズ」(チームM)「阪急電車」(チームN)とチーム楽曲が披露されたが、「阪急電車」における山本彩と山本彩加のペアダンスは、山本彩加の去りゆく先輩への思いと、山本彩の残していく後輩への思いがぶつかり合ったような熱さを感じた。続く「Which One」は、吉田がプロデュースした“女子力選抜”ユニットQueentet(吉田、太田、渋谷、村瀬、植村梓)の楽曲。以前( https://realsound.jp/2017/09/post-112453.html )にも書いたようにNMB48は吉田をはじめとするメンバーの個性から女性ファンが多く、この日も大きな女性専用エリアが設けられていた。最近では村瀬がアパレルブランド「ANDGEEBEE」のプロデューサーになるなど、その路線もより発展していっており、Queentetでもガーリーな衣装と楽曲に、黄色い歓声が浴びせられた。そこから「太陽が坂道を昇る頃」、「僕は愛されてはいない」「ドリアン少年」「欲望者」と続いたが、山本彩が白間のソロ曲である「僕は愛されてはいない」を歌い上げたことにも驚いた。

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