鈴木愛理、J☆Dee’Z、當山みれい、Anly、リトグリ芹奈……生演奏の魅力感じた『Voice JAM』

生演奏の魅力感じた『Voice JAM』レポ

 そしてJ☆Dee’Zは、amiが「毎回自分の決めた道が正しいのか不安になる。そんな時、自分の決めた答えなら正解なんだと自信を持てたきっかけになった曲を」と語り、「Answer」を披露。いつもよりBPMを抑えにし、しっかりと一つひとつの歌や踊りを見せるアレンジに変化していた。當山みれいはデビュー曲の「Fallin’Out」を歌い上げたが、前身イベント『After School Swag』のときに披露したロック調のアレンジ(参考:対談記事)とは異なり、ローズ・ピアノの音色が絶妙に新しさと懐かしさを感じさせてくれた。

 この2組はコラボステージも展開し、映画『SING!』でおなじみトリー・ケリー「Don’t you Worry ‘Bout A Thing」から美空ひばり「川の流れのように」のマッシュアップを歌い上げたあと、まさかの乃木坂46「インフルエンサー」カバーへ。フラメンコギターではなく、原曲にあるラテンの要素は控えめにし、ジャズっぽさを強めたアレンジに。間奏では歌って踊れる4人ならではのダンスも披露し、会場を大きく盛り上げた。

 残すところあと1組、と思いきや、シークレットゲストとして登場したのはLittle Glee Monsterの芹奈。前身イベントはリトグリがきっかけとなって始まったものなので、彼女の登場には感慨深いものもある。芹奈自身も「(當山)みれいやJ☆Dee’Zは昔から一緒にやってきたので嬉しい。みんな個性的だけど歌が素晴らしくて圧倒されてる」と喜びながら、初めてのソロステージを見せてくれた。歌ったのはグループでも彼女がリードボーカルを取る、スガ シカオ作詞作曲の「ヒカルカケラ」。序盤はこの場を楽しんでるみたいに笑ってたかと思えば、サビでは切なく崩れ落ちそうな声で歌う。改めてボーカリストとしての圧倒的な表現力をたった1曲で叩きつけてステージを後にした。

 そして最後に登場したのは元°C-uteの鈴木愛理。「初めてのことが多すぎて、共演者に圧倒されて顎が外れるかと思った。緊張してます」と前置きしつつ、いつもよりテンポを落とし、ストリングス隊も加わった「君の好きなひと」からライブをスタート。ホーン隊も入ってさらにアッパーになった「Candy Box」では、会場の空気がアイドル歌手のそれに一変した。

 その後、出演アーティストとプロデューサー陣が勢ぞろいし、ABBAの名曲「Thank You for the Music」と再び「Don’t you Worry ‘Bout A Thing」を歌い上げたところでライブが終了した。

 改めてになるが、ここまでアーティストや音楽家にとって成長の場となるイベントはないのでは、と感じるほど、ステージの上には様々な工夫が凝らされていたし、観客を飽きさせない構成にもなっていた。どのアーティストのファンであっても、最終的には音楽そのものの楽しさを感じ取れていたのが目に見えて理解できたというのも、あまりない経験で面白い。今回が第一回目ということだが、舞台に上がった面々とそれを見ていた客席がともに成長し、日本の音楽業界を支える場としてさらに機能していくことを、いち音楽ファンとして期待したい。

(取材・文=中村拓海)

■放送情報
Voice JAM
BS TBSにて9月29日(土)23:00から放送



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