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『新しい朝』インタビュー

早見沙織が語る“多面的な歌と演技”に挑み続ける理由「癖や個性が出るなら色んなものに挑戦したい」

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 早見沙織が9月19日に5thシングル『新しい朝(あした)』をリリースした。同作の表題曲は、劇場版『はいからさんが通る』前編主題歌「夢の果てまで」に続き、劇場版『はいからさんが通る 後編〜花の東京大ロマン〜』の主題歌であり、同曲と同じく竹内まりやが詞曲を提供したもの。

 今回のインタビューでは、同作の制作背景や、5月に行われたライブ『Hayami Saori Birthday Special Live 2018』の振り返り、早見が作詞作曲を手がけた「メトロナイト」「SUNNY SIDE TERRACE」、最近のインプットなどについても存分に語ってもらった。(編集部)

「世代問わず味わえる歌を発信するプレッシャーはありました」

ーーまずは5月のライブ『Hayami Saori Birthday Special Live 2018』から振り返りましょうか。レポート記事【早見沙織、キネマ倶楽部ワンマンで見せたシンガーとしての大きな“成長”】でも書かせていただきましたが、開場SEは早見さんのセレクトだったそうで。

早見:はい。ラジオでも「聴いていて早見さんのセレクトだってわかりました」というメールが届いていて。

ーー2階から見ていたんですが、客席でShazamを使っている人がいて、早見さんを入り口に洋楽が広がる瞬間を目の当たりにしました。

早見:それは嬉しいですね。

ーーライブ本編も原曲と違ったアレンジばかりで楽しかったですし、「琥珀糖」の弾き語りもハイライトといえるものでした。

早見:「琥珀糖」をライブで弾くのは初めてでしたし、かなり緊張しました。弾き語りにしては玉が多いというか、音符的に忙しい譜面だったりもして。ピアノを弾く人に「これを弾きながら歌うの大変じゃない?」と理解していただけたのは嬉しかったです(笑)。

ーーたしか、早見さんが作った曲を矢吹香那さんがピアノアレンジして、ちょうどいいぐらいに調整していったんですよね。

早見:そうなんですけど、レコーディングの時は弾くことと歌うことは別にしてあったので、やはり弾き語りとなると苦労しました。ライブメンバーでもある角脇真さん(Key)を先生に迎えて、「ここはこういう風にアレンジした方がいいですよ」「こうやって弾くとエモーショナルな感じに聴こえると思いますよ」と助言をいただきました。

ーーだからこそ、ダイナミックな動きとともに歌と演奏をしっかり聴かせることができたんですね。あと、個人的に印象深かったのは「Jewelry」で大合唱が起こったことで。以前のインタビューでは、この曲について「ゴスペル的なアプローチを意識した」とお話されていたので、まさに楽曲が完成する瞬間を見たというか(参考:早見沙織が『CCさくら』エンディング曲に込めた工夫 「ゴスペル的なアプローチを意識しました」)。

早見:作っている時も、どこかで「歌ってる時に合唱が起こったら楽しそう」と思っている部分はありました。

ーーそうやって、盛り上がるパートもしっとり聴かせるパートもあり、演奏陣と早見さんのグルーヴが楽しめるライブでもありました。

早見:5月のライブも含めて、バンドメンバーとスタッフにファミリー感も出ていましたし、今回は同期なしのパフォーマンスでもあったので、アレンジもみなさんの意見を聞きながら作り上げていったことで、よりグルーヴが生まれたと思います。

ーーそんななかリリースされるシングルについても伺います。表題曲の「新しい朝」は「夢の果てまで」に引き続いて、竹内まりやさんからの提供曲です。前回はたしか、手書きの歌詞とメモを頂いたとのことでしたが、今回はどうでしたか。

早見:今回も手書きの歌詞とメモをいただきました。この曲がどうやってできたか、どういう経緯を辿り、どういう意図を込めたのか、しっかりとメッセージが綴られていて。私の解釈では、世代や年齢を問わず、多くの人が日々を力強く生き抜いていっている、その姿への応援歌なんだなと。「夢の果てまで」は格好良く進んでいく女性にフォーカスを当てたような歌でしたが、もっと対象が広がって、染み渡る歌になっていると思います。

ーー「夢の果てまで」と「新しい朝」は、『劇場版 はいからさんが通る』前後編の主題歌ですが、「夢の果てまで」は主人公・紅緒の少女時代を描いた天真爛漫な曲で、「新しい朝」は後編の雰囲気を描いたように、ガラリと大人っぽくなりましたね。

早見:後編では、どんどん激動の時代になって様々な悲しい出来事が起こるんですが、そういったなかでも立ち上がっていく人々や街の姿を意識している歌なんですよ。

ーー歌う側としても、テーマがここまで壮大なものだと、かかる重圧も一層あったのではないかと思うのですが。

早見:壮大な楽曲ですし、世代問わずみんなで味わえる歌を発信する側になるという緊張感やドキドキ、プレッシャーは間違いなくありました。ただ、それを自分が歌うということになったとき、すごく噛みしめるものがあったんです。

ーー前回もレコーディングにあたって、まりやさんからアドバイスがあったという話でしたが、今回はどうですか?

早見:今回は「沙織さんの思うように、歌声を出してもらえれば嬉しいです」と言っていただいて、私の感じるままに歌わせていただきました。

ーー聴いた印象としては、ゆっくり立ち上がっていく、優しく寄り添っていくような歌い方をしているように聴こえました。

早見:歌っているときは、そこまで誰かのために、ということを考えていたわけではないんですが、自分のなかでは間違いなく感じるものがあって。歌っているときにウルっときてしまいました。私自身にグッとくるもの、自分にも沁みるものが誰かにも沁みていって欲しいと思うので、今回はその願いを歌に込めたところも大きいと思います。

ーーこの曲の大きなポイントは、イントロとアウトロの長さにもあると思います。37秒とたっぷり時間を取ったイントロには驚きました。

早見:もともとは劇場で流す用とシングルバージョンでイントロの長さを変えていたんですが、劇場版の長いイントロのほうが良いなと思ったんです。短いと、一般的なバラードになってしまう気がしましたし、あの素朴で綺麗に調整されすぎてないピアノの感じは、時間をかけて味わっていただくものなのかなと。

早見沙織「新しい朝」MusicVideo

ーー鍵盤を押すというより触るくらいのタッチで弾いていますよね。これは早見さんの演奏ですか?

早見:いえ、今回はプロの方にお願いしました。ただ、素朴にするというオーダーはあって、そちらのほうがこの曲には合っているような気がしたので、同じようにCD版でも弾いてくださいとお願いしました。

ーーこのアレンジは攻めてるぞ、と思いながら聴いていました。あと、構成もいたってシンプルですよね。歌詞カードを見ても、すべての言葉が繋がっているようになっていて。

早見:いわゆるDメロもなくて、2番サビからそのままアウトロに行く、というシンプルさは言葉がすごく沁みますし、自分も歌っていけばいくほど味わいが出てくる曲だなと思いました。

ーー表題曲でこのくらいハッキリしたバラードを歌うのは初めてですよね。

早見:そうなんですよ。やってるつもりでいたんですけど、やってなかったという。でも、このタイミングでよかったなと思います。来るべきときに来るんだなと感じました。

ーー最初に聴いたとき、前作の「Jewelry」がゴスペルで、この曲は合唱曲みたいだなと思っていたら、案の定最後に合唱パートが入っていました。

早見:予測済みだったんですね(笑)。コーラスには〈ワーナー・ブラザース〉の方やアニメ・音楽の制作スタッフさんにも入ってもらいました。

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