BLACKPINK、幕張メッセで見せた“次世代クイーンの貫禄” デビューショーケースからの成長を読む

BLACKPINKが見せた“次世代クイーンの貫禄”

 ソロパフォーマンス後のMCではお互いのステージについて言及しつつ、「ひとりでステージに立つのは寂しかったです」(ロゼ)「やっぱりBLACKPINKは私たち4人じゃなきゃね!」(ジェニ)とメンバー同士の絆を確かめ合うシスターフッドな一場面もあった。

 Beyoncé「Partition」でのダンスパフォーマンスや韓国の年末歌謡祭で披露したWonder Girls「SO HOT」カバー(The BLACKLABEL remix)、最新アルバムからの2曲「SEE U LATER」REALLY」の後は「BOOMBAYAH」で会場中の老若男女国籍問わず全員が「オッパ!」コールで盛り上がった。、さらに「PLAYING WITH FIRE」「AS IF IT’S YOUR LAST」と、ラスト一曲までアガりまくりのダンスナンバーで本編は終了した。

 アンコールを呼ぶ客席からのコールといえば通常は「アンコール」の掛け声が定番だ。しかし、YGのグループはそれぞれアンコールの時に特定の楽曲を歌うことが、ファンの間で自然と定着しているよう。BIGBANGは「MY HEAVEN」、WINNERは「GO UP」、iKONは「Long Time No See」と歌詞にそれぞれ意味のある楽曲が選ばれているが、BLACKPINKは「STAY」。〈どうしてもキミじゃなきゃダメなの そばにいて …Stay with me〉のパートの歌詞がステージを恋うファンの心情にシンクロし、今回の初ツアーから始まったとは思えないほど会場の息もぴったりだった。

 そして始まったアンコールは、何回でも盛り上がること間違いなしの鉄板「WHISTLE」DDU−DU DDU−DU」「BOOMBAYAH」の3曲。BLACKPINKにとっても初の単独公演だった武道館ショーケースの時はメンバーのパフォーマンスにもどこか緊張が感じられたが、日本でも数々のステージをこなした後の今回のツアーでは、アンコールでそれぞれリラックスしてファンサービスする様子も見られた。

 今回のツアーは、日本国内だけではなくBLACKPINK自身にとっても初の単独ライブツアーだったこともあり、MCでは随所に初々しさもあった。しかし、パフォーマンスでの堂々としたアティチュードはまさに次世代クイーンの貫禄を感じさせた。8月に日本語版もリリースされたばかりの「DDU−DU DDU−DU」MVのYouTube再生回数は、1カ月前にリリースされたBTS(防弾少年団)「FAKE LOVE」よりも先に3億回を突破した。ボーイズグループほどには結束の強いファンドムを持ちにくく、大規模な組織的ストリーミングがされにくいガールズグループとしては異例のスピードということで、各種メディアでもニュースになっていた。

 実力派アーティストとして今最も急速に世界的な注目を集めているガールズグループのひとつであり、今後のワールドワイドな活躍も期待される彼女たちなだけに、貴重な1stツアーになったと言えるだろう。

■DJ泡沫
ただの音楽好き。リアルDJではない。2014年から韓国の音楽やカルチャー関係の記事を紹介するブログを細々とやっています。
ブログ:「サンダーエイジ
Twitter:@djutakata

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる