安室奈美恵は“コンサート”と“ファン”によって育てられたーーラジオで語られた感謝の思い

 安室は9月15日に沖縄コンベンションセンター展示棟で開催される『WE ♥ NAMIE HANABI SHOW 前夜祭 ~I ♥ OKINAWA/I ♥ MUSIC~ supported by セブン-イレブン』に出演。同公演が、引退前最後のライブとなる。沖縄出身の安室は、2000年には九州・沖縄サミットのイメージソング「NEVER END」を発売、2017年には25周年ライブ(『namie amuro 25th ANNIVERSARY LIVE in OKINAWA』)を沖縄で開催するなど、沖縄と縁が深いアーティストのひとりだ。沖縄でラストライブを迎えることについて「スタート地点がそこだったので、そこから出発して、絶対にヒット曲だすんだ! っていうあのときの私がそこにいるので。いい意味でリセットさせてくれるというか、いろんな感情……悩みもそうだし、有頂天になってる自分もそうだし。いろんな自分をリセットさせてくれるので、ぼーっと考えたときに初心に引き戻してくれる」と話した。

 「有頂天になることもあるんですか?」と問われると「なります、そういう自分もいます」と即答。有頂天になっていると感じたら、すぐに引き戻すようにしているという。安室がそうした行動にでる要因としては、ファンの存在が大きいとのこと。「ファンの皆さんは好き好き!って言ってくれてるけれども、コンサートではとても厳しい目で見ているので(笑)」と話した。手探りでセルフプロデュースをし始めた頃からの、ファンの厳しい目線があったことで現在の”安室奈美恵”が作られていったと安室は言う。2001年に小室プロデュースから離れ、2002年ZEEBRAらと組んだSUITE CHICでの活動を機に、J-POPから本格的なR&B/HIPHOPへと方向転換した。人気絶頂期に方向性を変えることは、彼女にとって大きな決断だったに違いない。しかし、結果的にその先進的な音楽は、これまでのファンだけでなくコアな音楽好きからの支持も集める形になった。彼女がこれまでずっとトップを走り続けていたのは、変化に対して躊躇することなく挑み続けたからだろう。

 最後に、ファンに対して「本当にメッセージをたくさん聞かせていただいて、純粋に嬉しかったです。本当に辛い時とかもあったりはしたんですけど、頑張ってきてよかったなという感じがします。これからもたくさんいい楽曲に出会ってほしいなって思います」と感謝を述べた。リスナーからのメッセージと共に、安室のファンへの思いも語られた同番組。楽曲やパフォーマンスを通してファンと繋がろうとした姿勢が、リスナーにもよく伝わっていることが感じられる放送だった。安室奈美恵はまもなく引退を迎える。トップアーティストであり続けた彼女は、時代を築いた存在として、今後も音楽シーンに影響を与えていくことだろう。

(文=北村奈都樹)

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