『LION』インタビュー
noovyが1stアルバムで表現した“日本に来てからの1年半” 「ちょっとずつ野心が出てきた」
「兄さんのことのように思える曲」(Shawn)
――みなさんと初めて会ったときには、今聴いている音楽としてロックやEDMを挙げてもらったのを覚えているんですが、より色々な音楽を聴くようになってきているんですね。
JK:そうですね。(日本語で)でも、今もEDMは好きですよ!
Shawn:昔から好きなものはそのまま今も好きなんです。でも、その時期によって「今日はこれだな」と好きなものが色々変わっていくイメージですね。
――なるほど。ライブで披露していたものの、音源としては初めて収録された楽曲、「Dunk Shot」や「Door」はどうですか? 「Door」はライブでは最後のコーラスを会場一体となって歌う、noovyのライブのクライマックスになる曲のひとつですね。
Hank:僕たちのライブの定番曲ですね。今回アルバムに入れられたことで、「やっと居場所を作ってあげられたな」と思うんです。ずっとライブでやりながら、申し訳ないな……と思っていたので。
Shawn:やっとこの曲を一人前にすることができたというか……。
Hank:たとえば、「彼女とやっと結婚しました!」という感じかもしれないです(笑)。
Shawn:「Door」はもともと中国語で書いた歌詞がもとになっていて、今回アルバムに入っている歌詞はまた別のものになっているんです。この曲にはもともとストーリーがあって……。
――どんなストーリーなんですか?
Shawn:僕には3つ上の兄さんがいて、彼には家から2分ぐらいのところに住んでいる親友がいたんです。その親友とは小さい頃から遊んでいて、高校生になると2人とも一緒にバイクに乗ったりしていたんです。でも、ある日一緒に遊んでいるときに、すごく大きな事故に逢って……その親友は亡くなってしまいました。そのあと、陽気だった兄さんが見たこともないほど落ち込んでしまって、あまり喋らなくなってしまって……。兄さんとその親友は同じ目標を持っていて、「将来に向けて頑張ろうね」と言っていた仲だったので、それ以来、兄さんは次の目標が見つけられていないんです。この曲の歌詞は、兄さんのことのように思える曲なので、彼にも聴いてもらいたいですね。
――なるほど、そんなことがあったんですね……。
Shawn:兄さんも自分のせいではないことは分かっていると思うんですけど、人生の大切な友達が亡くなってしまったことで、ショックを受けてしまったんだと思います。その友達が天国で元気でいることを祈っていますし、兄さんも元気になってくれたらいいな、と思っているんですよ。
――音楽にすることで、その気持ちがお兄さんにもより伝わるかもしれませんね。一方で「Dunk Shot」は、ライブでやっていても盛り上がる曲のひとつだと思います。
Mark:初披露のときから、「みんなこの曲が好きなんだな」ということを実感しました。
JK:ベースも弾いていて気持ちいい曲ですね。
Hank:僕はバスケが大好きなので、曲の中に出てくる選手の名前は、僕も一緒に「誰の名前を入れようかな」と考えました。
――(笑)。それにしても、今回のアルバムは最新シングル「LION DANCE」ではじまって、初期から歌ってきた「Garage」で終わる構成の中に、これまでの色んな楽曲が入っていて、聴きながらみなさんのこれまでの歩みを振り返っていくような感覚も印象的でした。
Mark:最新シングルではじまって、色々な曲が出てくる中で、最後は「初心を忘れないで、これからも勉強する心を大切にしていこう」という意味で「Garage」で終わることにしました。
――「LION」というタイトルの由来は?
Hank:去年の1月に日本に来て、1年半活動してきた中で、もちろんまだまだ学ぶことはありますけど、「僕らもやっと小さいライオンにはなれたんじゃないかな」と思ったんです。それに、ライオンは動物の中で一番野心がある動物なので、これまでの活動の中でちょっとずつ野心が出てきた僕らを表すのにもぴったりだと思いました。「これからももっと頑張って、目標に向けて努力していきたい!」という思いを込めてつけたタイトルです。