ELISAが語る、これまでの道のりと新たな野望「私の10年はどこを振り返っても輝いていたと思う」

ELISA、輝かしい10年を振り返る

 デビュー10周年を迎えたELISAが『10th Anniversary Best Album「DIAMOND MEMORIES ~All Time Best of ELISA~」』を8月29日にリリース。今回のインタビューでは、デビューから今に至るまでの道のりを、その時その時の自分にとってきっかけとなった楽曲を織り交ぜて振り返ってもらい、さらに11年目を迎えた次なるELISAの野望についても語ってもらった。(編集部)

「あっ、モデルにはなりたくないです!」から始まる10年間

ーーデビュー10周年おめでとうございます!

ELISA:ありがとうございます! ただ端的に言って長い10年でしたね(笑)。2011年に一度体調不良でお休みをいただいたり、2014〜15年あたりから海外に行かせていただくことも多くなったり、それからいろいろなアニメやゲームの作品とその楽曲に出合ったりしていますから。最初「euphoric field」という英語詞の曲でデビューして、その後9分ある「God only knows」を歌って、ここ数年は「ex:tella」のようなプログレッシブな展開のある楽曲をいただいていて。「アニメソングにはジャンルってないんだな」っていうことに気付けて、そのいろいろなジャンルを歌わせてもらうことでいろいろなことを学び続けてきた10年だったなあ、と思っています。

ーー「アニメソングにはジャンルがないという気付きがあった」ということは、もともとアニメソングを歌いたいからボーカリストになったわけではなかった?

ELISA:ないですね。父親がアマチュアでチェロを弾いていたこともあって、その伴奏をするために小さい頃からピアノを習っていたのと同時に、絶対音感トレーニングのスクールや声楽の学校に通わされていて。で、中学生のときに合唱音楽コンクールの全国大会で銅賞を獲った頃から「ソプラノでのボーカル経験やオペラの経験もあるんだし、ずっと歌い続けたいな」っていう気持ちが芽生えたんです。

ーーただ、過去のインタビューや資料を拝見すると、高校時代、ナオミ・キャンベルなんかも所属していたエリート・モデル・マネジメントのオーディション「エリート・モデル・ルック」を受けていますよね。

ELISA:神奈川にあった公立学校の出身なんですけど、田舎なんですね。だから歌手になるための方法がわからなくて(笑)。音楽大学っていう選択肢もあるにはあったんですけど、受験するにはすごく勉強が必要じゃないですか。もしその勉強をした上で落ちたらなあっていう気持ちもあって、ポップス系のオーディションならその場で歌って「はい、受かりました、落ちました」って結果が出るからいいか、と思っていたんですけど、どこでオーディションが開かれているのか、まったく情報が入ってこなかったんです。

ーーでは「エリート・モデル・ルック」の情報はどこから?

ELISA:近所のTSUTAYAに行ったらポスターが貼ってありました(笑)。しかもケータイで簡単にエントリーできたので「モデルの世界も女優の世界も歌手の世界も同じ芸能界なんだからどこかで繋がっているはず」と思って応募してたら、次の審査、次の審査と進んでいくうちにファイナリスト……3000人の中の10人に選んでいただいて、その最終審査会場で「いつからモデルになろうと思ったの?」って聞かれたので「あっ、なりたくないです!」って答えたんです。

ーーあはははは(笑)。

ELISA:審査員の方も意表を突かれたみたいで、前のめりになって「じゃあなんでこのオーディションに来たの?」って私の話を聞いてくれて。そこで声楽を習っていることや、これまでにも小さな映画ではあるんですけど「主題歌を歌いませんか?」みたいなオーディションを受けてきていたことをお話させていただいたら、「デモテープ送ってよ」とも言われたんですけど、「今ここで歌っていいですか?」って、当時オーディションでウケのよかったポップス系の曲とオペラっぽい曲を歌ったら、3カ月後にはメジャーデビューしてました(笑)。

ーーその経歴だけでも十分驚きなんですけど、デビュー当時の所属レーベルはジェネオンエンタテインメント(現:NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン)。アニメソングに強いレーベルでしたよね。

ELISA:だから「なんで私なんだろう?」って思ってましたし、実際に当時の担当の方にも聞いてみたら「唯一無二の声だと思った」って言ってくださったのと同時に、「インパクトが強すぎて面白かった」と(笑)。

ーーモデルオーディションで「歌手志望です」って言い出したから(笑)。

ElISA:しかも所属契約をしたのはジェネオンさんよりエリートさんのほうが先で。そのときに全身とバストアップの水着写真が必要だったんですけど、スタジオで撮ってもらうお金もなかったから、当時の親友に「水着着るから写真撮って」って、学校のトイレで水着に上履き姿の写真を撮ってもらっていて、ジェネオンの担当の方もそれを見たらしいんです。

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