NEWS、15周年記念公演で見せたグループへの愛 覚悟と気迫感じたステージを振り返る
NEWSの覚悟
メンバーの活動自粛からステージへーーメンバーはこの日をどんな気持ちで迎えていたのだろうか。ファンの中には複雑な心境のまま会場へ向かった人も少なからずいたのではないだろうか。
メディアで報じられたとおり、6月7日に小山が生放送の番組中に謝罪、活動自粛を発表。加藤も生放送で謝罪を行った。その後音楽特番に出演するも、メンバー全員が言葉を発することはなく、事態の深刻さを物語っていた。SNSでも、厳しい言葉もあれば、変わらず応援し続ける言葉と、賛否両論が見受けられた。
小山が活動を再開した際に、公式ブログでは、覚悟を決めてこの道を進むという言葉をファンに伝えていた。また、コンサート2日目、開演前に行われた囲み取材では、ステージに立てるのは当たり前ではないこと、覚悟を決めてステージに立つといった旨を語ったことが報じられた。
コンサートでは今回の件について言及はしなかった。一連の騒動について、何かしらの言葉を聞かせて欲しかったという気持ちがしなくもない。しかし、彼らは言葉よりも行動で示す、ありったけのパワーをステージにぶつける、そんな“パフォーマンスで伝える”ことを選択したのではないか。振り返ってみれば、涙ながらにあれこれ語られるよりもずっといい。そう思えるような覚悟と気迫を感じるステージだった。
相次ぐメンバーの脱退により、「いちごがないショートケーキ」と揶揄されたことを加藤が明かしていたが、本公演ではメンバーカラーが入った大きないちごを据えてファンを迎えた。ケーキに例えるならば、この2日間で集まった11万人のファンの前で輝く4粒のいちご。ショートケーキどころか、大きなホールケーキとなってみせたNEWSがいる。
NEWSの楽曲は耳に残る楽曲や強いメッセージソングが多く、ストレートに元気や勇気を与えてくれる。また、「愛言葉〜てをひいて〜」のように、歌詞全体のメッセージ性に心を揺さぶられ、選び抜かれた言葉に込められた意味を紐解いてまた感動する、深みのある楽曲が多い。そんな素晴らしい宝物の数々をずっと守って欲しい。
正直なところ、筆者は複雑な気持ちでライブ当日を迎えていた。しかし、公演で流れた映像の中で、増田が15年前の自分に「拝啓、15年前の僕へ。僕はいま幸せだよ」という言葉を伝えていたことで、最後までひっかかっていた胸のつかえが取れた。
「これからもついてきてくれますか」。コンサートの終わりに小山がファンに投げかけた。これまでいくつもの壁が立ちはだかり、そのたびに大きくパワーアップしてきた彼ら。GReeeeNが手がけた「U R not alone」で顔をくしゃくしゃにして歌ったように、一切引かず、一切負けず、今後も目指す場所へ向かって欲しいと思う。
■柚月裕実
Web編集者/ライター。企画、担当編集、取材・執筆してます。
日本の男性アイドルの頑張りを見ては涙する30代。
始まりはSMAP中居さん。 KAT-TUN、NEWS中心の事務所担。年中HDDの整理と原稿書きに追われています。