欅坂46 長濱ねる、小池美波、菅井友香、土生瑞穂……『ANN』などに見るバラエティ面の成長
“ラジオ選抜”の4名とは言っても、AKB48グループや乃木坂46でラジオパーソナリティーを務めるメンバーと比べると、トークスキルにはまだまだ伸びしろがある。普段ラジオでは、共演しているオテンキのり、吉田照美といった先輩パーソナリティーたちの力も大きいと言えるだろう。ただ、もうすぐ3年目を迎える冠番組『欅って、書けない?』(テレビ東京)でも、MCの土田晃之、澤部佑(ハライチ)が自分たちからリアクションや笑いを取りに行くようにメンバーを指導するなど、普段関わり合いのある芸人やタレントの影響を受けて、バラエティ面も少しずつ成長していることが分かる。今回の放送でも番組を盛り上げようとする意思が感じられた。
音楽番組出演時は、菅井と長濱がトークを担当することがグループの定番となっている。先週17日にオンエアされた『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)では、アニメ『クレヨンしんちゃん』の主人公・野原しんのすけと菅井が自然体のトークを繰り広げ、ファン以外でも話題となった。ラジオ放送中にひたすらボケ倒し、無茶振りをしてくるオテンキのりとのやりとりで鍛えられたアドリブ力が、同放送で発揮されたのかもしれない。また、長濱も好奇心リサーチバラエティー『ねるねちけいONLINE!』(NHK総合)がスタートし、おっとりとした長濱のキャラが強く反映された番組内容が好評を博した。
“欅坂46”の一般的なイメージは、「サイレントマジョリティー」から続くクールなものだが、バラエティでは彼女たちの等身大の姿を見ることができる。シングル『アンビバレント』に特典として収録される「自撮りTV」のティザー映像がYouTubeにアップされ、平手が大好きなカワウソにデレデレになる姿が収められた映像が160万回再生を超える大きなバズを巻き起こした。おそらく、ファンがグループに求めているもののひとつは、クールなパブリイメージとはギャップのある姿なのだろう。
欅坂46の“ラジオ選抜”は、今のところ他の姉妹グループのメンバーと比べると少し頼りないような気もするが、そんな自然体な部分も彼女たちの魅力なのかもしれない。
■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter