SALU、なぜLDHに移籍した? EXILE SHOKICHI率いる<KOMA DOGG>の可能性
「Good Vibes Only feat. JP THE WAVY, EXILE SHOKICHI」は、そうした彼らの音楽性がマッチした楽曲だと、柴氏は続ける。
「SALU、JP THE WAVY、SHOKICHIの三人は、全員が人好きのするタイプのアーティストで、「Good Vibes Only」という曲名の通り、親しみやすさや楽しさが伝わる楽曲になっています。勝ち負けにこだわるというより、一緒に楽しくやろうという姿勢が感じられるのは、彼らのアーティストとしての性格が出ているように感じます。また、海外の音楽シーンではドレイクの登場以降、歌とラップの境目はどんどんなくなっていて、リズミカルな歌とメロディアスなラップがシームレスに繋がっているのが当たり前の状況です。そういう現代的なボーカリゼーションを踏まえた楽曲になっているのは、LDHの目指す方向性とも合致しているはず。
さらに、サマーソングとしても、ここ最近のトレンドをしっかりと捉えています。チャイルディッシュ・ガンビーノの「Summertime Magic」や、88risingの「Midsummer Madness」、ジャスティン・ティンバーレイクの「SoulMate」など、話題となっているサマーソングはすべて、レイドバックしたスロウなビートに、リラクシンでメロウネスな歌詞を乗せた楽曲です。「Good Vibes Only」もまた、そのテーマも含めて今のサマーソングのモードを表現した一曲といえるのでは」
EXILE SHOKICHIは、5月にリリースしたソロシングル『Underdog』にて、現在の海外ヒップホップシーンで新たなトレンドとなっている、ラップとロックのクロスオーバーにもチャレンジしている。<KOMA DOGG>が海外の新しいサウンドの潮流を積極的に取り入れるプロジェクトとして進んで行くのであれば、SALUの音楽性にもまた、新たな変化が生まれる可能性もありそうだ。
(文=松田広宣)