東方神起が今「Road」を歌う意味 楽曲に込められたメッセージを探る

東方神起『Road』

 今夜7月20日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に東方神起が出演し、7月25日にリリースする最新シングル曲「Road」を歌う。6月に、国内最大規模を誇る日産スタジアムで前人未到の3DAYSを完走した際、いち早くファンに披露したこの曲は、これまでの東方神起の代表曲とはテイストが大きく異なる。恵まれた身体を駆使して魅せる激しいダンスナンバー、そして美しいハーモニーで心を震わせる壮大なバラード。たゆまぬ努力で作り上げた圧巻のパフォーマンスが東方神起の真骨頂だ。だが、今回リリースする「Road」はそのどちらでもないミディアムナンバー。なぜ今、彼らがあえて「Road」を歌うのか、その意味を探ってみたくなる。

 リリースに先駆けて公開されたMV(フルバージョン)は、北海道の十勝で撮影され、海岸沿いにまっすぐ伸びる道路が印象的だ。ユンホの運転する車を、チャンミンがヒッチハイクし、ふたりでどこまでも走っていくというストーリー仕立て。いつものように「さすが」と唸らずにはいられない、難易度の高い振り付けも、重厚なハモリもない。ただ、そこにあるのは、リラックスしたふたりの笑顔と広大な自然。やがて日は暮れて、夜が更ける。ふたりは静かに焚き火の前で思い出に浸り、そしてまた日が昇る……。その一見なんでもないような風景こそ、私たちの生きる日常だ。

東方神起 / 「Road」MUSIC VIDEO(FULL Version)

 振り返れば、東方神起はずっと闘ってきた。新しいチャレンジをするたびにぶつかる壁、たくさんの出会いや別れを乗り越えて、今の東方神起の形を創り上げてきたのだ。その道は、決して平坦とは言えなかったが、それでも彼らは謙虚な姿勢を貫き、全力で走り抜いた。そして約2年間の活動休止。2017年に再始動した彼らは、ファンが待っていてくれるか不安だと赤裸々に語っていた。次々と魅力的なアーティストが誕生していく中で、本国はもちろん、日本のファンがどれだけ変わらぬ愛を持って迎えてくれるのか。「恋人でも、2年間待たせるというのは大変なことだから」と。

 もちろんご存知の通り、その心配は杞憂に終わる。再始動後、初のツアーは動員数100万人を記録。日本における海外アーティスト史上最多となった。また、前述したように、全アーティスト史上初の日産スタジアム3DAYSを達成し、2018年上半期ライブ推定観客動員ランキング(音楽ライブ情報サービス「LiveFans」調べ)では堂々の2位。きっと「Road」は、そんな日本のファンへの感謝を伝える、ラブレターのような曲なのかもしれない。

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