『欅共和国 2018』昨年以上に盛り上がる? 平手友梨奈との関係性とけやき坂46の成長から考える

 一方、前回のひらがなけやきは、共和国というコンセプトではあるものの、やはり当時の知名度や持ち曲数の関係で出番が少なかった。ただ少ない出番ながらも、ハッピーオーラを振り撒き、独自のインパクトを与えている。ハッピーエンドで終わったライブだと思われていたが、『週刊プレイボーイ』がおくるノンフィクション連載「けやき坂46ストーリー」によれば、初日と同じく最後は「W-KEYAKIZAKAの詩」でみんなで挨拶をするものと思っていたという。しかし、漢字欅だけが新曲「危なっかしい計画」をサプライズで歌ったため最後の挨拶ができず、「うちらも最後に挨拶したかったねぇ」とメンバー皆がバックステージで声を上げて泣いたのだとか。

 欅坂の一員だと思っていたが、自分たちがいなくても大盛り上がりで幕を閉じたことに、ひらがな2期生のオーディションが始まっていたことも重なり、自分たちの存在意義がわからなくなった。しかしその日を境に彼女たちは必死に前へ進み、単独アルバムや冠番組など活躍の場を広げ、漢字欅に負けない経験と成長ぶりを見せているのはご存知の通り。『欅共和国 2018』は、昨年の忘れ物を取りに来たライブと言ってもいいだろう。とは言え、ひらがなは今回の『欅共和国』に対し、漢字とライバル関係という気持ちはなく、尊敬する先輩と一緒にライブができることへの喜びが大きいことが、公式グリーティング動画から伝わってくる。

 そんな成長したひらがなと、平手復活への期待が高まる新生漢字欅がどう融合するのか。パフォーマンスだけでなく、曲数の割合も気になるところ。そして、ステージ上ではほぼ初遭遇だと思われる、ひらがな2期生と漢字欅の絡みはどんな化学反応を見せるのか、予想できない楽しみもある。昨年は、欅坂だけで坂道AKBの「誰のことを一番愛してる?」を歌うなど、共和国でしか味わえないプログラムもあった。今年はどんなスペシャルが起きるのだろうか。『レコメン!』(文化放送)でキャプテン菅井友香が「今年もテーマが決まってまして、皆でビショビショグチャグチャになる!」と、昨年以上に水まみれになることだけは明かしていた。

 7月18日、休業中の志田愛佳、原田葵、影山優佳に加え、今泉佑唯もスケジュールの都合により出演が見直しになったと公式アナウンスがあったように、全員揃うことが難しい欅坂だが、出演できるメンバーで昨年を超える最高のパフォーマンスを期待したい。

(文=本 手)

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