今年は“横の軸”広がるラインナップに LUNA SEA主催『LUNATIC FEST.』1日目レポ

『LUNATIC FEST.2018』1日目レポ

DIR EN GREY

Die
DIR EN GREY
Shinya
Toshiya
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Die
薫
京
DIR EN GREY
Shinya
Toshiya
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 放たれるのは繊細かつ重厚なサウンド、スクリーンに投影されるのは鮮烈かつ容赦ない映像美。一瞬でMOTHER STAGEを支配していったDIR EN GREY。最新シングル「人間を被る」から、「SUSTAIN THE UNTRUTH」、「THE FINAL」と、繰り出していく。バンド自体がひとつの生き物のようで、目まぐるしく変化していく様子に、こちらは目が離せない。そして新曲を挟み、後半は10分近い「VINUSHKA」を投下。目を覆いたくなるような厄災の映像と、凶悪なサウンドがオーディエンスの五感に叩き込まれ、「ここが、真実だ!」という京(Vo)の声が幕張メッセに響き渡る。ラストの「詩踏み」まで、不可侵の世界を構築した。

GLAY

TAKURO
GLAY
HISASHI
TERU
JIRO
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TAKURO
GLAY
HISASHI
TERU
JIRO
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 トリ前のMOON STAGEに登場したのはGLAY。TAKURO(Gt)が耳に馴染んだイントロを響かせ、代表曲「HOWEVER」を披露する。そして先程ACE OF SPADESでの出番を終えた、TAKAHIROがステージにあらわれると、TERU(Vo)と共に「BELOVED」を熱唱。

 続いてHISASHI(Gt)の「いい波のってんね〜」と時流にのった(?)挨拶から「SLAVEもGLAYのファンも、皆仲良くゾンビになっちゃえよ!」とスタートした「シン・ゾンビ」。曲間の“LEGEND SERIES”コーナーでは、LUNA SEA「FATE」が差し込まれるという、ニクい演出も。

 SIDの明希(Ba)を呼び込み、JIRO(Ba)と共に「SHUTTER SPEEDSのテーマ」で共演したかと思えば、“遊びに来ていただけなのに、無理やり命令で呼んだ”という、EXILE NESMITH(EXILE/EXILE THE SECOND)による「彼女の“Modern…”」とサプライズの乱れ打ち。

 そして、「LUNA SEA兄さんの優しさが、たっぷりつまったイベントを盛り上げたいので、特別に参加してもらいます」と、SUGIZO(Gt)を迎えて「誘惑」でオーディエンスを沸かし、ラストの「XYZ」まで、GLAYらしいハッピーな空間を作り上げ、トリのLUNA SEAにつなげた。


LUNA SEA

RYUICHI
J
SUGIZO
真矢
INORAN
LUNA SEA
LUNA SEA
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RYUICHI
J
SUGIZO
真矢
INORAN
LUNA SEA
LUNA SEA
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 最後はLUNA SEAを残すばかりだが、サウンドチェック中にMOTHER STAGEに姿を見せたのは、真矢(Dr)の弟子にあたる淳士(BULL ZEICHEN 88/SIAM SHADE)だ。始まる前から大きな歓声が沸き上がる中、ドラミングを披露する。

 待ちきれないと言わんばかりのオーディエンスの拍手が、SEの「月光」を合図に鳴り止むと、メンバーがステージに登場。その音が途切れ、暗闇を拭い去るような光にステージが包まれる。1曲目の「Hold You Down」で早くもフロアは幸せな一体感に包まれる。間髪入れずに真矢のドラムからスタートした「TONIGHT」では、特効と共にSUGIZO、J、INORANがステージを駆け巡る。続いては「Dejavu」、「JESUS」、「Rouge」とアッパーチューンを繰り出し、序盤からクライマックスのごとく盛り上がっていく。

 「最高だね、このフェスはお祭りなんで、心底楽しんで帰って欲しいなと思います」というRYUICHIの言葉に、オーディエンスからは温かい拍手が起こる。そして、揺らめく光と共に奏で上げられた「gravity」から、SUGIZOのバイオリンの音色とINORANの繊細なギターが絡み合い始まった「闇火」、「I for You」に至るまでの時間は、濃厚で贅沢なものだった。LUNA SEAというバンドはまだまだ“底知れない”ということを痛感させてくれる。

 後半戦は「DESIRE」、「ROSIER」などのキラーチューンを連発し、最後の「WISH」では、フロアいっぱいに銀テープが降り注ぎ、大団円を迎えた。

 アンコールは本日の出演者を交えた「BELIEVE」の大セッション。出演者それぞれが、ロックキッズに立ち返ったような表情でステージ狭しと盛り上がり、『LUNATIC FEST. 2018』初日は幕を閉じた。

 2015年に開催された第一回は、LUNA SEAという存在の“縦の軸”を繋いでいくような布陣であったように思う。対して今回は、“横の軸”と呼べるような、広がりのあるラインナップから生み出される奇跡を感じ、昨年リリースされた『LUV』の温かさを反映したような一夜であった。フェスブームと言われて久しく、10-FEETの『京都大作戦』や『氣志團万博』など、ミュージシャン主導のフェスも様々だ。『LUNATIC FEST. 2018』も“LUNA SEAならでは”のフェスを打ち出せたのではないだろうか。

■藤谷千明
ライター。ブロガーあがりのバンギャル崩れ。執筆媒体は「ウレぴあ総研」「サイゾー」「SPA!」など。Twitter

■放送情報
『LUNATIC FEST. 2018 ~SPECIAL EDITION~』
8月19日(日)午前11:00[WOWOWライブ]

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